129、友人の証
セリフ筆者、ト書きAI作成
ナスティア村の夕暮れは、淡い橙色の光で家々の屋根を染めていた。戦闘の緊張もすっかり解け、広場には穏やかな風がそよいでいる。チェルシーは背負い人形の調整を終え、出立の準備を整えていた。
「チェルシー。少しいいか?」
声の主はエレン。槍を肩にかけ、ゆっくりと歩み寄ってきた。
「うん。どうした?」
「もしやとは思ったんだが、チェルシーはかつて『修羅の国』に居たのではないか?」
チェルシーは小さく微笑む。
「フフ、どうかしらね」
エレンはふっと視線をそらす。「……そうだな。今は旅人なんだったな。いらぬ詮索だった。許せ」
「エレンはこれからどうするの?」
チェルシーの問いに、エレンは少し肩をすくめた。
「しばらくはこのナスティアでのんびりしているさ。戦士も休息が必要だからね。それが終わったら、この世界の強者と刃を交えてみたい。まだ見ぬ猛者を求めて」
「本当に戦うのが好きなのね」
チェルシーの言葉に、エレンはにやりと笑った。
「それで、だ。チェルシーはこれを知っているか?」
「それは……『ケータイ』?」
チェルシーの目が少し輝く。
「ああ。ワットにお願いして内部を少しいじったら、この世界でも繋がるみたいなんだ。番号を登録してもいいかな?」
チェルシーはケータイを手に取り、少し首をかしげる。
「ちょっと待ってね。えーと……これ、どうやって使うんだ?」
エレンはゆっくりと操作を示す。「えっと、その画面ならプロフィールを開いて、そうそう。そしたらその番号を……」
「な、なるほど。これで相手に通話できるんだな?」
チェルシーの声には、ほんの少し笑みが混じっている。
「電話がかかってきた時は下の『出』ボタンを押せば出られる。間違って『止』ボタンを押さないようにな」
エレンの説明に、チェルシーはうなずく。「わ、わかった」
「よし! これで私とチェルシーは『友人』だ。何かあれば私に連絡をくれ。力になるぞ」
「ええ、分かったわ」
チェルシーはケータイを握りしめ、夕暮れに染まる村を見渡した。橙色の光が、二人の間にささやかな温かさを落としている。戦いのあと、緊張が氷解したこのひとときは、何物にも代えがたい、静かで確かな友情の証だった。
ケータイはスマホではなくガラケーがモデルです。この世界ではスマホは完全に異文化です。
ケータイですらオーバーテクノロジーですからね。チェルシーのこの反応も頷けます。




