012、世界樹の里
AI制作
朝の光は、400年前と変わらず、世界樹の葉の隙間から静かに降り注いでいた。
だが、地上の景色はもう別のものになっている。
木々の間に点在していた小屋は、今では八つ、いや九つ。
煙が細く立ち上り、朝の支度をする気配があちこちにある。
木の実のなる樹木が計画的に並び、地面には畝が作られ、若い芽が揃って朝露をまとっていた。
ここはもう「集落」ではない。
世界樹の里と呼ぶにふさわしい場所だった。
「土の湿り、ちょうどいいな」
ハッカネンは畑にしゃがみ込み、土を指先でほぐす。
彼の周囲には、整えられた畝と、芽吹いたばかりの作物が並んでいる。
「ここまで安定したのは、世界樹の根の流れを読めるようになったからだ」
そう言って、土に手を当てると、微かなマナの流れが大地を巡るのが感じ取れた。
かつては森の恵みに頼るだけだった生活は、今や“育てる暮らし”へ変わっている。
里の中央では、澄んだ光がゆっくりと広がっていた。
リディアだ。
彼女は目を閉じ、両手を広げている。
目に見えぬマナの流れが、世界樹から降り、里全体へと行き渡っていく。
水の循環、作物の成長、住民の疲労回復――
それらが静かに整えられていく。
「今日も穏やか……うん、森の外もまだ大きな乱れはない」
武器は扱えない。
だが、里の生命線は彼女の掌にある。
乾いた石の音が響く。
「これなら耐えるな」
ウェアルネが石の短剣を掲げる。
刃はただの石ではない。内部に薄く青白い光が宿っている。
マナ付与短剣。
かつては石武器では傷を負わせられなかった魔獣にも、今では対抗できる。
彼女の技術は、里の“防衛の質”そのものを引き上げていた。
「キミーネ、振ってみて」
呼ばれた少年は、軽く頷く。
キミーネ。
まだ16歳。だが動きに無駄がない。
短剣を受け取り、軽く一振り。
空気が裂けるような鋭い音が走る。
「…問題ない。流れも綺麗だ」
マナ操作も武器も、どちらも一級。
この里に生まれた“新しい型の守護者”。
だが今は、まだ少年の顔で笑っている。
子どもたちが木の実を集め、若者たちが弓の訓練をし、
年長者は道具の修理をしている。
争いはない。
飢えもない。
恐怖は遠い。
それは、長い年月の積み重ねと、世界樹の加護、そして人々の努力が作った平穏だった。
だが――
丘の向こう、森のさらに外から、
かすかな違和感が風に混じる。
リディアが目を開けた。
「……?」
ほんの小さな揺らぎ。
まだ“異変”と呼ぶには早いほどのもの。
だが、この里はもう小さな開拓地ではない。
守るものが増えた時、
世界は必ず、こちらを見る。
世界樹の里の、穏やかな一日。
それは、新たな時代の幕開けの、静かな前触れだった。
時代も進み、AIさんに任せてはいるが、私の設計を上手に反映してくれるため骨格がぶれない楽しみ。
ここからは新たな世代の誕生、集落から里へといった時代背景が描かれています。
エルフの話も終盤へと差し掛かりつつあります。今後が楽しみですね。




