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ラスティア群像劇~第1章~  作者: niseimo38
第2章~旅人チェルシー~

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114/206

114、出会いはいつも計算外

AI作成

石畳の広い通り。

蒸気と香辛料の匂いが混ざる、アングリアの入口にして大動脈。


その喧騒を切り裂く声が響いた。


??「そこのひとー!! 危ないからどいてくれないかー!?」


チェルシーは足を止める。

視線の先、群衆を割って駆けてくる影。


金属の脚。軋む関節音。

一体の機械人形が、こちらへ一直線に突進していた。


チェルシー「ええと、これは……。取り押さえた方が、いいか?」


迷いは一瞬。

指先がわずかに動く。


背後に控えていた絡繰り人形が、糸も見えぬまま滑るように前へ出た。


次の瞬間――


がしり。


機械人形は羽交い絞めにされ、石畳の上で火花を散らす。


機械人形「攻撃対象確認。直ちに攻撃します。攻撃行動、実行開始。エラー。現在拘束中につき行動不能。攻撃対象、攻撃、攻撃対象、攻撃……」


チェルシー「これは完全に壊れてるな……」


??「あーすまない! そのまま抑えといてくれ! すぐに追いつく!」


工具袋を肩にかけ、息を切らせて走ってきたのは一人の少女。


長い黒髪。冷静な瞳。

だがその目は、暴走する機械人形しか見ていない。


彼女は迷いなく膝をつき、外装の留め具を外した。


機械人形「マスター、守る、攻撃、マスター、守る、攻撃……」


春奈「はいはい、守ってくれてありがとね、と」


声は柔らかい。

まるで子どもをなだめるように。


内部配線へと工具を差し込み、数秒。

ぱちり、と音がして、光が消えた。


機械人形は力を失い、チェルシーの絡繰り人形へともたれかかる。


静寂。


春奈はほっと息をついた。


春奈「ありがとう。また暴走してしまったよ。私は鮫島春奈。見たところ、人形師さんのようだね」


チェルシー「初めまして、チェルシーです。この機械人形はいったい?」


春奈「ああ、PC03のことか。完全二足歩行ロボットではある。のだが、あるプログラムを打つと毎回エラーになって暴走してしまうのだ。うーむ、やはり容量オーバーなのだろうか……」


彼女の目は既に思考の海に潜っている。


チェルシー「んー、な、なるほど……」


(容量、か)


チェルシーは、機械人形の内部を一瞥する。

魔力の流れは感じない。完全に理詰めの構造。


だが――


“マスター、守る”


その言葉だけが、やけに人間じみていた。


春奈「そうだ! 良ければチェルシー君、私の研究室に来ないか? 寝床と食事は保証しよう。ついでに君の人形を少し調べてみたさもある」


唐突。

だが打算はない。


純粋な探究心。


チェルシー「ふむ」


少しだけ考える。


暴走。

守る。

容量オーバー。


そして、この少女の目。


チェルシー「分かりました、行きましょう」


春奈「ありがとう! では、PC03を運ぶのを手伝ってくれないか?」


チェルシーは頷き、絡繰り人形に合図を送る。


動かぬ機械人形を担ぎ上げながら、彼女は思う。


(容量オーバー……か)


“守る”という命令が、

何を溢れさせたのか。


まだ知らない。


さて、ここでは次の国、アングリアでのお話になります。機械と魔術が発展している国での一つの物語。

春奈は天才「クレイヴァー」の弟子で、機械工学のスペシャリストです。

すでに二足歩行ロボットは完成しているが、なぜ毎回暴走するんでしょうね?

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