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ラスティア群像劇~第1章~  作者: niseimo38
第2章~旅人チェルシー~

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100/206

100、その先の敵意

AI制作

森の奥、木漏れ日が揺れる小道をチェルシーは一歩ずつ進んでいた。

風が葉を揺らし、森のざわめきが彼女の耳をくすぐる。

けれど、どこか――空気の重みがいつもと違った。


足を止め、チェルシーは目を細めた。

木々の間、微かに光が渦を巻く場所がある。そこだけ空間が揺れているように見える。

「これは……」

彼女の胸に、静かな好奇心が湧いた。恐怖よりも、観察者としての興味が勝った瞬間だった。


その揺らぎに近づくと、空間は突如鋭く裂けた。

闇の奥から、敵意だけが冷たく押し寄せてくる。

チェルシーは迷わず背中の絡繰り人形を構え、冷静に警戒態勢を取った。

心の奥のざわつきと好奇心が交錯する――まさに未知との接触だ。


十数分、彼女は人形と共に裂け目を見守った。

風は裂け目を避けるかのように流れ、森の葉音は遠のき、世界はわずかに静寂を増した。

チェルシーはすべてを観察する。光の揺らぎ、空気の重み、裂け目の縁に漂う微細な残像――

そして、向こう側から届くかすかな息吹。別の世界の存在感が、圧として心に届いた。


やがて裂け目は静かに修復され、揺らぎは穏やかになった。

敵意も消え、空間は森に溶け込むように落ち着きを取り戻す。

チェルシーは息を吐き、微かに首をかしげた。

「なるほど……こういう仕組みか」

不思議さと、旅を続ける期待が胸に混ざる。

未知との接触は終わったが、彼女の心には確かな印象として残った。


森を抜け、光の差す道へと歩き出すチェルシー。

背中の絡繰り人形が軽く揺れ、まるで彼女の心情を知っているかのように寄り添う。

今日の出会いは、単なる偶然ではない――旅人としての、新たな一歩だった。


これは、ジャヤ国を発ってすぐの出来事。彼女は初めてゆがみが裂け目になる瞬間を目撃します。

世界の真理にわずかながら近づいたその日。彼女は静かに頷くのであった。

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