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自死希望診断書


 カルテNo.1 = 自死希望診断書 =



 20XX年、人間と呼ばれた者達の殆どは〝眠りシステム〟通称〝ミヨツク〟の大流行により眠って生活している。

このシステムはその昔日本人によって開発され、寝たきりの人、障害を抱える人、ご高齢の方にのみ使用する事が許された装置であった。

この装置ミヨツクは脳に胡麻つぶ程のチップを埋め込み、埋め込まれた者は二度とこちら側(現実世界)へは戻る事はなく、家族の反対があった場合や医者の診断書がなければ使用不可能だった。

だが、この装置は元々はゲーム会社であるミヨツクが開発した〝ドリームパーフェクト〟と言う異世界の冒険をコンセプトにしたRPGゲームであった。

ヘルメットのようなゲーム機で、そのヘルメットを被りベットに横たわり使用するといった前代未聞の使用方法は当時の人々を興奮させたのだ。

ドリームパーフェクトは世界中で大流行となり、大人から子供まで人気になり、ゲーム世界に留まり続けたい者たちで溢れ経済が回らなくなった。

事態を重く見た各国の首相はこのゲームをする事を禁じ、開発元であるミヨツクに今後一切ゲーム開発を禁ずる命令を下した。


 そこへ声を上げたのは医療団体〝ソフィア〟だった。

この装置を医療転用できないかと考えたのだった。実際にこのゲームは寝たきりの人や障害を抱える人たちにとっては素晴らしい装置だったのだ。


 ゲーム会社ミヨツクが廃社してから三年の時を経て世界会議決定が下される。

・医師の診断書と家族の合意があった者

・80歳を超えた希望者

のみにミヨツクを使う事が許されると決定された。


人は一度快楽を味わうともう一度あの高揚感に浸りたいと思うものである。

ミヨツクを使用する為に、自ら腕や足を負傷させる者が現れ、ミヨツクを使わせろ!と暴動が起きた。


生きてる世界で眠る世界を生きる事を希望する世界、争いや差別、金や飢え、暑さに寒さ、苦しい事のない世界ドリームパーフェクトは人々の理想そのものであった。


次回、= 生きる自由と死ぬ自由 =


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