パパがプロデュースした結婚式が、主役の我にアウェーだった件
結婚の承認をもらって二か月後、
再び四川省へ向かった。
まずは省都で結婚申請を済ませ、翌日、実家へ。
父から翌日の結婚披露宴の説明を受けた瞬間、
心の準備が一気に吹き飛んだ。
「身内だけ」だと聞いていたのに、会場は街で一番大きなホテル。招待客は百名以上。
しかも、親戚以外は全て父の友人や仕事関係者。
正直、誰一人として知っている人がいない。
我の結婚式なのに、完全にアウェーじゃないか……!
朝の爆竹のファンファーレで始まる披露宴。
直径1メートルの巻き状爆竹が
「バチバチバチ!」と鳴り響く。
新郎新婦入場、乾杯、挨拶……
次から次へと迫る招待客の対応に、我、心の中で何度も「助けて……!」と叫んでいた。
持参したカジュアルワンピースが、派手すぎる会場に完全に埋もれているのも気になった。
ウエディングドレスも準備しておいてよ!
父のドヤ顔を見るたびに、睨み返した。
マオチョンも緊張で中国語がカタコト化。
普段は流暢なのに、ぶっつけ本番だとポンコツ化して、通訳必須レベル。
「……えっと、乾杯……かんぱい?」
我が通訳してなんとか意思を通す場面もあり、
夫婦なのに完全に我が介助者状態だ。
でも、その真面目さだけは変わらず、思わず笑いそうになる。いや、笑っちゃダメ、場が持たない。
一瞬一瞬が嵐のように過ぎていく。
心の中で「次は誰が挨拶に来るの!?」
「今度は誰が乾杯を求めるの!?」と
突っ込みつつも、表情は笑顔でキープ。
なんとか無事に乗り切った。
正直、頭はぐちゃぐちゃ、
でも胸の奥には小さな幸せが残った。
翌朝、早朝に成都へ移動して「結婚許可証」を受け取り、広州へ戻る。
でも、忘れない。
披露宴は完全に父のプロデュース戦場で、
主役の我は完全にアウェーだったことを――
あのときの我の心臓のバクバク感と
ツッコミを入れ続ける疲労感は一生忘れない。




