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勇者失格宣告~魔王と静かに暮らしたい  作者: ぽとりひょん
第3章 ヴァルハラ王国侵攻
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第16話 オーガ、進化する

 オーガが朝起きると体が縮んでた。鏡を見ると鬼の顔がつるっとして人間のようだ。角も太かったものが顔に合わせてか細くなっている。だが、弱くはなっていない。

 以前より力が湧いて来る感じがする。しかし、これでは別人だ。困ってフールに相談することにする。

 「オーガ、おめでとう。進化したんだよ。オグルからオウルになったんだよ。」「でも、体が縮んだぞ。」

 「俊敏性も力も上がっているはずだよ。それに魔法も使えるようになったはずだ。パイロウスにならうといい。」「分かった。服から何とかしないとな。」

オーガは城の侍女に頼んで服を作ってもらうことにする。侍女たちはオーガを見ると嬉々として採寸を始める。オーガに取っては初めて見る光景である。

 普通なら侍女たちは怯えながら採寸するはずだ。オーガは、なぜかと考えるがわからないので考えることをやめる。

 フールがロックとカールに報告する。

 「オーガが進化してオウルになりました。」「それは珍しいオウルか。」「オウルは珍しいの?」

 「オウルはオグルの上位種ですがオグル自体、かなり強いので進化の必要がないのではないかと。オーガは神の使徒と戦ったので進化したと思われます。」「かなり強くなっているね。」

 「はい、魔法を使えるようになれば、四天王に匹敵します。」「ワンマンアーミーに拍車がかかるな。」

オーガは服が出来るとパイロウスに魔法の教えを乞う。オーガは訓練を始めるが常に視線を感じる。敵意が無いので放置しているが居心地が悪い。

 視線は侍女たちが送っていた。オウルになったオーガはイケメンになり侍女たちには王子と呼ばれていた。

 カールはバシュラール魔王国の仕事を放置しておくことはできないので帰国することになる。四天王、オーガ、ゴブリン部隊が一緒に帰国する。

 王城に帰るとアリソンがオーガを出迎えに出ているがオーガの姿が見当たらない。ホブゴブリンほどの背丈の鬼がアリソンに声をかけてくる。

 「アリソン、会いたかったよ。」「あんた誰?それよりオーガを知らない。探しているのよ。」

 「俺がオーガだよ。オウルに進化したんだ。」「あなた、オーガなの。そんなになって弱くなったんじゃないの。」

 「いいや、以前より強くなっている。魔法もパイロウスに習っている。」「前のいかついあなたの方が良かったわ。」

 「そんなこと言わないでくれ。アリソン、愛しているよ。」「私も愛しているわ。」

オーガとアリソンは並んで城の中を歩く、すると侍女たちがオーガを見て顔を赤らめ、こそこそと話している。アリソンは気になり侍女たちに聞く。

 「何を話しているの?」「アリソン様と歩いている殿方素敵ですわ。」

 「オーガのこと?」「オーガ様なのですか。きゃー男前になっている。」

 「分かっているでしょうけど。手を出したらだめだからね。」「はーい。」

アリソンは男前のオーガよりたくましいオーガの方が良かった。


 ヴァルハラ王国に残ったロックは何か忘れている気がしている。だが、思い出せない。リースが支店を出す準備に街を見に行くため、ロックを誘う。

 ロックはリースと2人で出かけかったが、ディートハルトが許さなかった。2人にマッチョ兵が護衛に着く。案内人が冷や汗をかきながら物件を紹介していく。

 レストランによさそうな物件を見る。ここなら人通りも多く目につくし手ごろな大きさである。リースがロックに言う。

 「ここならリースの食卓にちょうどいいと思わない。」「そうだね。ここでハンバーグやカレーやオムライスを食べられるのか。あっ、オムライス。」

ロックは忘れていたものを思い出す。米が手に入らないのだ。

 「どうしたの。」「オムライスだよ。米はどうするの。」

 「見つけたのよ。インディカと言われているわ。バシュラール魔王国では、ゆでてから弱火で炒めて食べられているわ。」「何か違うような気がする。」

ロックは米は炊くものだと思っている。これは米に似たものだと考える。するとリースが説明する。

 「中西が米でも日本で食べられている物とは別の種類で長粒種と言うそうよ。」「ああ、聞いたことがあるような気がする。」

 「だからそれを使って、オムライスやカレーライスを試作中よ。」「それは楽しみだな。」

ロックは米を食べられることを楽しみにする。リースはレストランの物件として買うことにする。

 さらに隣の2階建て建物をゼーテ商会ヴァルハラ支店の建物として買い取る。パン屋は案内人が経営不振のパン屋を紹介する。リースはパン屋の店主と交渉をする。

 「私どもの新しいパンを作ることを条件にこのパン屋を買い取りたいと思います。」「店員や職人はどうなるんだ。」

 「そのまま働いてもらいます。あなたにも店主をしてもらいます。」「分かったが何を作るんだ。」

 「菓子パンです。レシピを渡しますから自分たちの納得のいく物を作ってください。」「分かりました。店の名はどうなりますか。」

 「リースのパン、ヴァルハラ店です。」「他にも店を持っているのですか。」

 「はい、他2店、繁盛していますよ。」「私たちも頑張ります。」

リースはヴァルハラ王国にも店を開くことになる。リースは次に人材集めを始める。店に責任者は基本他の店から有能な者を抜擢するが店員は現地で採用している。


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