6 義理母は散財する
「ねえ貴方、新しいドレスが欲しいわ」
私がそう言うと夫である子爵は言いました
「今度の王城の夜会用に素晴らしものを作るとよい」
私は今、とっても幸せですわ
私は平民でした
しがないパン屋の娘でした
いえ実家のパン屋はそれなりに結構繁盛していましたのよ?
だって男爵様のお家に上納するほどのおいしさなのですから
その男爵家には三人の御子息がいました
一番上の御子息は将来の男爵様
二番目の御子息は領地に居て采配するという中から支える役目
それが決まっていたらしいです
でも三番目の御子息は出番がなく、将来婿入りは、領地で代官するかといったところだったそうです
それでも真面目に勉強をしていらしゃいました
そんな真面目な態度に好感をもっていましたが私は平民ですから諦めていました
パンを届けに行く時にためにただお姿を見れればよい
そう思っていました
そんな私ですが三番目の御子息、リチャード様は目に留てくださっていました
いつも笑顔で元気が良くて好感が持てる
そう思ってくださっていらっしゃいました
代官になって将来は一緒に居よう
そう約束してくださいました
ところが子爵家で不幸が起こり、その家の祖父母が流行り病で亡くなったそうです
何分高齢であったため体力が落ちていたのが原因だそうです
そうすると子爵家を支える存在が必要になる
そして皆婚約者がいて適当な人材がいないといった理由でリチャード様が子爵家に婿入りすることになりました
リチャード様は嫌がったのですがご両親の命令ではどうしようもなりませんでした
「私が好きなのはお前だけだ」
そうおっしゃってくださいました
そして結婚してからも秘密裏に会って愛し合っていました
その甲斐があって子宝を授かることができました
私の親は激怒していました
そして縁を切られました
ですがリチャード様が援助なさってくれたおかげで母娘ともそれなりに生活ができました
世間の目は冷たかったですが耐えた甲斐がありました
リチャード様の妻が病気で死んだのです
そのためリチャード様の新しい妻になれました
そして娘も一緒の大きなお屋敷で暮らせるようになりました
今まで不幸だった分、これから幸せになれそうです