19 子爵家の乗っ取りをした男の実家の男爵家の責任の取り方
「一体どうすればいいのでしょうか?」
男爵家当主は伯爵様にお伺いを立てていた
なにせ三男が子爵家の乗っ取りを企んでいたのだ
おかげで男爵家の跡取りの嫁は実家に帰る始末
さらに親戚からはとばっちりを受けた ~縁談の破棄、嫁や入り婿の実家帰り、友人が距離を取るなど~ である
やってしまったものは仕方がない
あとは出来るだけ傷を少なくしたい
そう言う事である
ところが伯爵は無情だった
「自分で考えろ」
まあ寄り親をしている伯爵としては自分の家の采配と領地の采配をした上で依り子の貴族たちのまとめあげをしなければならないのだ
一男爵家の進退なぞまさに『知ったことではない』なのである
自分で考えろ
その上で良いか聞け
そう言う事である
不機嫌になりながらも説明する伯爵はある意味親切でもあった
まあ子爵令嬢が納得しない解決策は不合格なのである
被害者が感情的に納得するハードルは高いと言って良い
最初から負け戦をするも同然の要求に男爵はがっくりと首を垂れた
ちなみに誰も助けるための手を差し伸べてくれないのが現状である
ある意味男爵は子育てだけでなく、社交についても失敗したのかもしれない




