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12 子爵令嬢、伯爵家に保護される
「お嬢様、こちらにお入りください」
子爵令嬢は促されて浴槽に入った
お湯は温かく、おもわず「はあっ」との声が出るほどであった
さすはが伯爵家の侍女である
なにもかもが子爵家とは違っていた
・・・虐待されていた子爵家と比べること自体が不遜であるのかもしれない
子爵令嬢の態度を温かく見守りながら身体を洗う侍女
16歳とは聞いていたがあまりにも細すぎて驚いた
ガリガリなのである
そして身体のあちらこちらに叩かれた痣があった
背中、足、手、お腹
洋服で見えないところに丁寧に付けられていた
今までの生活が垣間見れ、思わず涙しそうな侍女であった
これは伯爵様にお伝えしなければ
侍女はそう心に決めていた




