「...おはよ」
朝7時40分
携帯のアラームが鳴る
いい加減聴き飽きたリズム
クイーンサイズのベッドの上
背中の向こうで 布団が擦れる音がする
彼女が起き上がったよう
少しだけ僕の瞼の裏の赤が暗くなる
長い髪が顔に当たるのがくすぐったい
擦れた音は 立ち上がるための音ではない
僕の顔を覗き込むために起き上がる
それは彼女にとっていつものこと
「...もうちょっと」
この言葉に意味はないと分かりながらも
朦朧とした意識の中でお願いしてみる
これは僕にとっていつものこと
彼女の手が僕の腹を撫でる
そのまま下腹部までくだっていく指
目を閉じたまま期待している僕
意識ははっきりしてくるも虚しく
彼女の手は期待の手前でずっと離れ
そのままベッドから降りていく
彼女の大きめのフェスの記念Tシャツと
短いズボン姿がメガネもしてないぼやけた視界に
入ってくる
しゃっとカーテンを開ける彼女
眩しくて目を閉じたくなるのに
朝日の後光がさすような彼女の姿を
結局いつも捉えてしまう
彼女が振り向いて僕に言う
その一言を聞くために