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9.第二エリアボス、ボミュー

 洞窟を出た後はボスに向かって一直線に進んで行った。

 エリアボスの居場所はキンドさんに聞いたのだ。

 そこっ! ズルっていわない!

 効率的な攻略と言って欲しい。


 ただ、なんの魔物が出るのかというのは教えて貰っていない。

 あんさんなら大丈夫とのこと。


 エリアボスが見える範囲までもう少し。

 大きなエミューのような魔物が足で地面を引っかきながらこちらを見すえている。

 いつでもスタートがきれる状態のようだ。


「なんか、あの子好戦的すぎやしません!?」


「マセラ、あんたならできる。あんたならできるって」


「なんかどこぞのアニメで日本の混乱を抑えたおばあちゃんみたいに応援されてもぉぉぉ」


 俺は少し横に逸れて迂回する。

 真正面から当たるのは得策ではないだろう。

 これはスピード勝負になりそうだ。


 横から叩く。


「ふっ!」


 狙いを定めて刀を降った時にはもうエリアボスはその場にはいなかった。

 視線を巡らせる。


「キェエェェェェ」


 エリアボスのボミューは一直線に走った後に旋回して戻ってきた。

 反応が遅れたため咄嗟に刀を盾にする。


「くっ! 早い!」


 叩きつけられた嘴と刀からは甲高い音が響き渡っている。

 何とか弾き返し、返す刀で身体に沿うように斬る。


 ダメージエフェクトが流れる。

 後ろに下がる。

 真正面から相手するのがいいのかもしれない。


 鞘に入れた刀を構えて前屈みになり飛び出す準備をする。


「キエェェェェェ!」


 再び駆けてきたボミュー。

 俺の狙いは。


 迫り来るボミューに狙いを定める。

 俺も地面を蹴り一瞬で交錯する。

 手応えはあった。


 ボミューの首筋に線が入る。

 ズズッとズレると身体と頭は離れ、鈍い音を立てて地面に落ちた。


 スキル 返り裂き

 効果は来る秒速と行く秒速を乗じたダメージが与えられる。

 そして、急所をついた事によりクリティカルヒットとなった。


 このゲームは取得したスキルの発動条件に達すると勝手に発動して効果を発揮するのだ。こちらとしてはゲームに詳しくないので楽な仕様である。


 ドロップアイテムはレアな物で、ボミューのホルモンと羽毛であった。

 前者は食べ物だが、後者はなにかに使えるのだろうか。


「マセラ、やっぱり凄いわ。即戦力になるなぁ。この調子で三、四、五とクリアしてってくれや! そしたら、バカラとかと合流できるさかいな!」


「わかりました。天国の方も玄関口があって、それ以降がステージって感じなんですね?」


「せやな。そんで、今は最前線がエリア三まで行ってるけど、それ以降は熾天使が出てくるとかで強すぎてクリアできんのよ。何か方法があるんやないかってのが、今言われてる説やな」


 なんだか、前線は前線でいろいろと大変そうだ。みんなどう攻略するか探りながらやっている感じなんだろう。


「今日は戻るんか?」


 俺に対するキンドさんの問いだったが、これは俺にしては愚問だ。


「当たり前です! さぁ、ネムさんの定食屋さんでご飯を食べますよ!」


 俺は勢いよく戻り始めた。

 戻るのは早いのだ。

 敵が出ても大したことは無い。


 このゲームは急所を突けばステータス関係なくHPはゼロになる。

 そこがこの現天獄の恐ろしいところ。

 いくら強くなっても急所への攻撃を避けることが出来なければ、即死に戻りだ。


 だからこそ、プレイヤースキルも重要になってくるし、無数にあるスキルの中でどんなスキルを取得するかが極めて重要になってくるのだ。


「あんさん、不意打ちが恐くないんか?」


「それは恐いですけど、出てきてから反応しても反応できるんで」


「はっ! 恐っ! ワイは、マセラの事が恐いわ!」


 俺から距離をとる仕草をするキンドさん。

 眉間に皺を寄せて目をへの字に曲げ、凄く怪訝な顔である。


「そんなに恐がらないで下さいよぉ。普通じゃないですか!?」


 更に離れていくキンドさん。


「ちょっ! ちょっ! 置いて行きますよ!?」


「待って! 置いて行かんでぇ!? 俺が戦闘力無いこと分かってるやろ!?」


 急に近づいてきて命乞いをする。


「だったら、そんな顔しないで着いてきて下さいよ!」


「そら、ついて行くがな! 冗談やないか!」


 そんな事を笑いながら言うキンドさん。

 まぁ、こういうやり取りも楽しいなと思いながら街まで戻っていく。


 街に戻るといつも通りに定食屋『膳』に向かう。


「ネムさん! お疲れ様です! 今日の成果をお見せします!」


 空いているテーブルに今日の戦利品を並べていく。ズラリとレアイテムが並ぶ。


「わぁぁ! 凄い!」


「これ、買取出来ますか?」


 広げているアイテムを指差して問う。


「いいけど、ギルドの方が買取額高いんじゃない?」


「いいんです! ネムさんに受け取って欲しい! そして、その分俺に食べさせて欲しいです!」


「わかったわ。いっぱい奮発して料理を作って貰うわね!」


「はい! あっ、この天使の涙だけは、上回復薬になるらしいので、加工したら渡しますね!」


 そのやり取りを見ていたキンドは頭を抱えていた。マセラのイカレ加減に驚き、呆れていたのである。


「こりゃ、相当イカレとるで。マセラの戦いもイカレとるが、この現地人に対してもそうとうイカレとる。バカラに報告しとこか。笑うやろうけど」


 バカラはこの報告を受けて大笑いした。

 そのくらいイカレてないとこのゲームはクリア出来ないだろうと、全面的にマセラをバックアップする事に決めることになるのであった。

 

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