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「大丈夫か。」え、兄ちゃん?
「大丈夫か。」え、兄ちゃん?
「ススム。」なに?
「おい、大丈夫か。」晃一がいる。向こうにナホと千夏。
「目、覚ましたみたい。」俺、倒れたのか?
「え、なに。」横の草陰でミドリちゃんが俺を見ていた。
「もうびっくりさせんといてや。」ナホが駆け寄る。
「大丈夫なん。」真剣に言うナホに俺は謝る。
「わるい。」するとミドリちゃんが俺に虫を手渡す。
「ごめんね、すすむ。食べて、これ。」みんな笑う。ナホもミドリちゃんも。
「さぁさぁ食べるべ。」晃一がはりきって言う。
「虫ちゃうで、お肉やで。」ミドリちゃんが笑う。彼女は一人車椅子。その横でナホがお皿に取り分けている。
この姉妹はこうして今まで来たんだ。二人で一人みたいに。月の裏表みたいに。だからといって彼女たちだって、一人前にならなきゃいけない。二人で一人前というわけにはいかないのだ。それぞれの人生を進む。それぞれが輝く。当然そこには困難や苦難が待ち受ける。それを乗り越えるのは厳しいことだろう。しかし、だからといって降参するわけにはいかない。だからこそ喜びも倍増するってもんだ。そして彼は月を照らす太陽になれるのだろうか。
そして彼は月を照らす太陽になれるのだろうか。




