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メキメキと木々がもつれあう音。
燃えさかる炎。勢いづくオレンジ色の化け物。メキメキと木々がもつれあう音。時にダイナマイトのような爆音。そして黒い煙。空に舞い上がる黒煙は不吉な未来を感じさせる。またはすべてを燃えつかせる新しい始まりだったのか。立ち尽くす。なぜかそれに見とれてしまう。なぜだろう。少しのうれしさと、悲しみが同居している。
「だいぶ火がついてきたな。」晃一は軍手で薪を放り込む。
「いいかんじやん。」俺はうちわであおぎながら言う。
「どう火ついた?」向こうでは千夏とナホが野菜を切っている。
「野菜は後でいいから、肉いこうぜ、肉。」晃一が叫ぶ。
「じゃあ持っていくよ。」おうよ、頼むわ。
「あれ、ミドリは?」ミドリちゃん、さっきまでここに。
「もうススム、見といてって言ったやんか。」ナホが怒る。
「ミドリ!」
「ミドリちゃん。」俺たちの叫び声が山に響く。
「まいったな。」俺は変な汗をかく。
「どうしよ。」ナホが青ざめている。
「大丈夫やって。」変な自信の晃一。千夏も叫んでいる。
「ミドリちゃん。」山を見ていて、俺はクラッときた。
山を見ていて、俺はクラッときた。




