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憂鬱やんボサノヴァ  作者: ふしみ士郎
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「まぁ若いから何でもOKや。」おばちゃんはそう言うと金歯を見せて笑った。

「顔色わるいな、ニイちゃん。」おばちゃんがキティちゃん柄のお皿を拭くのを手伝ってくれた。

「すんません男前すぎて。」おばちゃんの顔がキティちゃんに見えてきた。俺は何枚も大雑把に拭いていく。それを見て笑うおばちゃん。

「こんなの丁寧にやってられんやろ。」いえ、すんません。

「まぁ若いから何でもOKや。」おばちゃんはそう言うと金歯を見せて笑った。

「はい。」少し吐き気をもよおした。

「わかってるか、ニイちゃん。」はい。

「世の中はお金やで。」マジすか。

「若いニイちゃんに言うのは気がひけるけど。ほんまやで。」お金があったらあたしだって60過ぎて、こんなところで毎日働くもんか。とおばちゃんは言った。

「腰が痛くてしゃあない。」それがおばちゃんの口癖だった。

「トシはとりたくないもんやで。」そうですか。

「ここだけの話し、部長もな、あたしのこと辞めさせようと思ってるねん。」そんなことはないでしょ。

「いや、ほんま。言うたらあかんで。だから時給下げよってん。」信じられるか、ニイちゃん。

「信じられないです。」と、そこから1000枚のキティちゃんを拭き終えるまで彼女の苦労話しは続いた。お皿を拭き終えてラップに包む頃には、俺はクタクタになっていた。あと少しで、若い頃のなれそめまで聞かされるところだった。

「お皿できたんか、ニイちゃん。」平山さんが顔を見せる。

「あ、すんません。もうすぐです。」

「大丈夫や、もう時間やろニイちゃん。帰ってええで。あとのキティさんはわしがやっとくから。なぁおばちゃん。」キティさんって。

「あ、そうやな。平山さんとあたしでやっとくから。」おばちゃんは新しい話し相手を見つけて嬉々としていた。

「あ、ありがとうございます。お先です。」ここぞとばかりに俺は、キティさんたちに別れを告げた。



「あ、すんません。もうすぐです。」

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