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「ありがとう。」どういたしまして。
「ありがとうございまーす。」彼女が笑顔で言う。
「ほらみんなも、お兄さんに言って。せーの。」センセイが言うと、みんなが俺のほうを見る。
「ありがとうございます!」子供たちの声が一斉に響く。
「ありがとう。」どういたしまして。
「ありがとう。」うん、いーよ、はいどいてね。
「ほら、みんなお兄さんのじゃましないの。」ほいほい。
「ありがとう、おじちゃん。」誰がやねん。
「ほら、だめでしょ。どうも、いつもありがとうございます。」こちらこそ。あ、領収書。
「あ、すみません。ちょっと待っててくださいね。」元気な彼女の顔を見ると、こちらも元気になる。
「す、すむ。」俺が横を見ると、くうちゃんが立っていた。
「あれ、くうちゃん。このクラスやっけ。」首を振るくうちゃん。
「大丈夫?ほら、うめぼし組に戻って。」くうちゃん笑う。
「ちゃうで。うめ組。」そっか。ハハと俺も笑う。
「はい、これ。ごくろうさまです。」あ、センセイ。どうもありがとうございます。
「じゃあね、くうちゃん。またね。」足にしがみついてくる。
「あれ、三井空ちゃん。うめ組でしょ。」頭を振るくうちゃん。まいったな。
「空ちゃん、お仕事だからね。はなしてあげてね。」必死で泣きそうなくうちゃん。やっと手を放す。
「ほら、今日はメロンパンやよ。よかったね。」くうちゃん唐突に喜ぶ。周りからもやったー、という声が聞こえてくる。
「みんなお兄さんにお礼いってー。」いや、もう帰りますから。
「ありがとう、お兄さん!」はいはい。
「ばいばい。」こちらに手を振る子供たち。
「ばいばい。」いつまでも振ってる、くうちゃん。
「また明日ね。」うん明日は来ないけどね。
「また明日ね。」うん明日は来ないけどね。




