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憂鬱やんボサノヴァ  作者: ふしみ士郎
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「どう幼稚園。」言っとくけど、幼稚園って言っても給食やで。




「あいてる?」じゃあちょっと飯でも食べよう、というのでメグと会った。

「どう幼稚園。」言っとくけど、幼稚園って言っても給食やで。

「わかってる。」メグは愛らしい笑顔で言った。そりゃまぁどっちでもええけど。

「でもすごいね、小さい頃に行ってた幼稚園って。」ほんますげーわ。なんか感動したで、瞬間。

「そうやんな。」そうやねん。

「うん。」で、そっちはどうなん。俺はハンバーガーを食べながら言う。

「就活たいへん。」就職活動。そう彼女は大学生なのだ。そして福井出身の一人暮らし。

「しっかしヨウコがメグちゃんみたいな子と知り合いって。」不思議やな。

「うん、ヨウコが高校に転校してきて、それから仲良し。」あいつの高校時代?どうなんやろ、とは聞かない。

「よく店に来るのってサラリーマン連中?」俺は聞く必要のないことを、つい聞いてしまう。

「うーん新地やし、おじさん連中が多いかな。」ってか、彼女もちゃっかりキャバクラでお小遣い稼ぎをしてるクチ。

「その連中、ウサギの耳とかつけてんの。」俺が言うと、メグはポテトをほおばって笑った。

「ハハハ。あれ、ヨウコに聞いたん?バニーちゃん。かわいいよ。」ったくよ、世の中どうなってんねん。金かよ。愛はどこやねん。

「レオタード?」

「そう。タイツはいてね。」まじかよ。俺はハンバーガーを食べる手を休める。

「ちょっと見てみたいな。」

「店きたら?高いけど。」そのうち行くわ。いつか知らんけど。って言ったら、彼女は笑いながらサラダに手をつけた。

「ウチ来る?部屋にあるから。」え?

「ウチ、すぐそこやし。送って。」あ、ああそうね。どうしようかな。こういう時に限って弱気になる俺ってどうなん。ちょっとした沈黙と純情。

「あ、冗談冗談。」ほら、タイミングを逃した。

「この後どうする?お酒でも飲む。」俺は誘ってみる。

「あ、でも帰ろうかな。試験あるし。」もう流れは返ってこない。

「オッケー。」KO。



どんな仕事だって、仕事だ。1番古い職業は娼婦で、2番目は盗人。じゃあ3番目は?言っちゃわるいが、どんな気取っていても、だいたいの奴なんて勝手に自分で仕事を作って働いているペテン師だ。やってもやらなくても、そう違いはない。彼はそう信じている。だいたい本質はみんな男は盗人、女はみんな娼婦。盗人の社会と、娼婦の家庭。カエルとヘビの現実世界。あとはそれを管理するナメクジ野郎たち。奴らが都合のいいルールを決めていく。そして誰も動けなくなってしまう。魅惑の三角関係。麗しの三角地帯?



魅惑の三角関係。麗しの三角地帯?

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