表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
憂鬱やんボサノヴァ  作者: ふしみ士郎
16/53

16

「やめてや、兄ちゃん。」


「兄ちゃん。」ぼくは水辺に立つ。

「はやくこい」兄ちゃんがぼくを呼ぶ。

「なみだ。なみだ。」兄ちゃんが笑う。

「涙って聞こえるで。」水をバシャバシャとぼくにかける。

「やめてや、兄ちゃん。」向こうではパパとママがしゃべってる。

「わーまたなみだ。」なみだ、なみだ。

「ほら、みゆ、こっちおいで。」ぼくはちっちゃな妹を抱っこする。

「ほら、ほら、ほら。」また海水をかける兄ちゃん。

「わー。」ぼくはフラットになって、みゆを落としちゃう。

「おい、すすむ。みゆ。」兄ちゃんが言うが早いか、波がさらう。みゆが泣き出す。

「あんたら、ちゃんとみゆ見てる?」見てるよ!叫ぶ兄ちゃん。

「ほら、ママが怒りだした。な、みゆ大丈夫。」命令する兄ちゃんが、妹を抱っこする。

「あ、泣き止んだ。な、すすむ、こうするねん。」兄ちゃんは波をゆらゆらとフラつく。

「こう?」ぼくもマネっこをして、ふらふらする。

「フラフラ星人だー。」兄ちゃんが言う。

「ふらふら星人!」ぼくはまたマネっこする。

「ふらふら。」みゆもマネをする。



彼らはいつだって兄ちゃんの真似をしてきた。いつしか、でも兄ちゃんを越えて進むことになった。泣いていたミユは大人になり、子供を生んだ。なのに、彼はいつまでも子供のまま。ピーターパン?ただ彼にはステキなティンカーベルも強敵フック船長もいなかった。ピータンでもつまんでビールを飲んで寝るような、そんな腐ったオヤジになっていくだけの話し。それを認めないことには、お話しにもならない。そんなつまらないお話し。




それを認めないことには、お話しにもならない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ