表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/33

第16話 決意

「ユータがあれだけきっぱり言ったんって、誰か好きな人がおるから?」


 そんなマユの質問に、僕は言葉を失う。どうしよう。ここで、告白するか?でも、さっきまでかおちゃんとくっつけようとしていた矢先に告白するのはどうだろう。


「マユはそれを聞いてどうしたいの?」


 質問に質問で返す。


「ユータとは昔から仲が良かったから。昔馴染みとして、やな」

「そっか」


 昔馴染みとして、ただ、気になるだけなのだろうか。ただ、いずれにしても、明日が終わってしまったら、また次に会えるのは早くても春休みだ。悠長にかまえていられるだろうか。


「ねえ。明日、一緒に遊ばない?二人で。なら、教えてあげるよ」


 せめて、明日、二人で遊べれば、何かが変わるかも知れない。そんな期待があった。


「カナやこーちゃん、かおちゃんが一緒やない理由は?」

「それも、明日、教えてあげるよ」

「……わかったわ。でも、必ず教えてもらうからな?約束やで?」

「うん。約束するよ」


 僕の意図に気づいただろうか。それはわからないけど、とりあえず明日の約束を取り付けることには成功した。


「それで、明日は、20:00新大阪くらいの予定だから、それまで遊びたいな」


 実は、特に予約はしていないのだけど、20:00の新幹線に乗れれば、我が家には、日が変わるまでにはたどり着けるだろう。


「ほんまに教えてくれるんやったら、付き合うよ」

「ありがとう」


 今夜中にどこを回るか考えておかないと。それも、ただ遊ぶのではなくて、彼女が楽しんでくれるような、それでいて、僕の気持ちが伝わるようなそんな場所を。


「明日は楽しみにしといて」

「何考えとるんかわからんけど。楽しみにしとるわ」


 そんな事を話していると、1時間も経っていた。部屋に戻ると、酔っ払っていたカナは床に寝転んで既に爆睡しているし、かおちゃんも、同様だった。


 ただ一人、こーちゃんが起きていて、部屋に二人で戻った僕たちは見つかってしまった。


「何やってたん?」

「いや、夜風を浴びてただけ」

「そうなんや」


 それ以上、何か追求してくる事はなかったが、僕が一人になった頃を見計らって、


「なあ、ユータ。ひょっとして、お前の好きな人って……」

「たぶん、想像の通りだよ」

「俺らはとんだ勘違いしとったわけやな」

「別にいいよ」


 僕もなんだかんだ疲れたので、床に寝転がると、少しずつ眠気が襲ってくる。明日の予定を考えないといけないので、少し早めに起きよう。


 そう思って、瞼を閉じたのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ