それぞれの1日
「こんな嫁で、ごめんね。」
「何言ってんだよ。お前は、十分俺を幸せにしてくれたじゃないか。」
握ったか細い手から力が抜けてくのが分かって焦った。
「俺は・・・俺は、雪花を幸せにできたかな・・・」
「・・プロポーズしてくれた時から・・ずっと・・ずっ・・・」
それまで鳴り響いてた心音を刻む信号が消え沈黙が訪れた。
「やあ、久し振り。」
「本当に久し振りだね。」
「あっちの公園は、どうだった?。」
「チューリップが綺麗に咲いてたよ。ゆっくり楽しみたかったのに、せっかちなご主人のせいでこの通りさ。」
「人間達は、忙しいのさ。散歩してもらえるだけでも感謝しなきゃ。」
「それもそうだね。じゃあまたね。」
「うん、またね。」
「やっべ!鎌持ってくんの忘れちゃったよ!」
下界に降りた死神は思わず叫んだ。
「そんな訳でさ、今日は1人連れてく変わりに1人誕生させてやるよ。」
「あぁ、そうかい。じゃあそうさせてもらうよ。」側に居た神様は、苦笑した。
産院に元気な赤ちゃんの鳴き声が響いた。
「おめでとうございます、男の子でしたよ。」
小説家になろうサイトを開いた。
「私の小説、だれか読んでくれてるのかな・・・あっ・・感想書いてもらえてる?。」
私は、きっと明日も物語を綴っている、読んでくれる誰かの為に。
あらすじに書いた様な事をたまに思います。出勤時間な人、病室で病と闘っている人、子供をあやしてる人、誰かに想いを告げてる人、絶望して命を絶とうとしてる人・・・・同じ時間の中で全く違う時間を過ごしてる人の話を急に書きたくなったんです。常にアハ体験って感じ。