表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

3話 タピオカ


 「ボクは、タピオカを飲みに行く」

 

 いきなり平成ちゃんが、私にそういって来ました。

 

 「タピオカ……? ってなんですか?」

 

 「タピオカは今話題急上昇の飲み物だよ。インスタ映えが理由で話題に上がったとか、上がってないだとか。

 ボクは今からそのタピオカを飲むために地上に降りたい。もし良ければ、令和ちゃん、君も来るかい?」

 

 タピオカ、というものがイマイチ分かりません。

 でも、平成ちゃんのいうことです。

 タピオカが危険なものだとは思えません。

 ですから、

 

 「行きましょう、平成ちゃん」

 

 

 *****

 

 

 

 地上に降り立ちました。

 ふと、私は気が付きました。

 

 「あの、私たちって困ってる人とかにしか、姿を見せることできないですよね?

 どうやってタピオカを買うんですか?」

 

 「奇遇だね、ボクもそれで困っている。

 ただ、解決策はあるさ」

 

 「どんな解決策ですか?」

 

 「簡単さ。インスタというシステムに囚われている人たちから、タピオカを貰えばいい」

 

 私は意味がよく分からず、首を傾げました。

 

 「あぁ……その姿も可愛いよ…………じゃなかった。

 タピオカをインスタのためだけに買う人がいるってことさ。

 例えば……ほらっ、彼女たちは今困っている。助けに行こう」

 

 「はいっ」

 

 私は平成ちゃんのあとをついていく。

 

 「すいません、そこの方」

 

 「なんでしょうか?」

 

 相手は今年20歳となった女性二人で名前は……と、これは機密事項でしたね。

 年齢と名前は、某デスノートのように頭の上に表示されてしまいます。そんな私と平成ちゃんは、無闇に相手の名前をばらしてはいけない、という決まりがありました。

 

 「貴方たち、タピオカの写真を取るのが目当てのように思えます。もし良ければ、その手に持っているタピオカを頂けませんか?」

 

 「いいですよー。ありがとうございます!」

 

 そう言いながら、女性二人組は去っていきました。

 

 「これでタピオカが飲める、楽しみだ。ふふふっ」

 

 平成ちゃんはとても嬉しそうでした。

 

 

 *****

 

 

 

 「これが、タピオカですか」

 

 晴れやかな太陽の下、私と平成ちゃんはテーブルにタピオカを置いて、席に座りました。

 

 「うん、とても珍しい……というか、独特だよね。飲み物なのに、食べ物、みたいな。そんな感じだ。

 さて、飲もうか、令和ちゃん」

 

 「うん!」

 

 私と平成ちゃんは一口、タピオカを飲みました。

 

 「……なんというか、今までにない感じ、ですね」

 

 私はそう答えました。

 

 「うん、そう……だね。

 かなり特殊な感覚を覚える感触だ。そして結構美味しい。これは、流行るのも頷けるな。

 っと、そう言えば、こんな飲み方もあったな」

 

 そういって、平成ちゃんは胸にタピオカを置きました。平成ちゃんはグラマーな身体です。胸にタピオカを置くのはおちゃのこさいさいでした。

 

 「それって……?」

 

 「タピオカチャレンジ、というものらしい。

 中々似合ってるかな?」

 

 「はいっ!

 とても似合ってますよ」

 

 「令和ちゃんに褒められると嬉しいな。さて、引き続き、タピオカを堪能しよう」

 

 「はいっ!」

 

 そのあと、タピオカを飲み終えました。

 とても美味しかったです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ