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婚約破棄と男気

「両親にはリリアナ姫様とのことは反対されている。


正妃様にもマリエッタ様にも王太子殿下にも、リリアナ姫様と親しくするなときつく言われた。


しかし、僕は、僕はリリアナ姫と結婚したいんだ!!


リリアナ姫への愛こそ真実の愛なんだ!!」


ランジットはアンジェリカに頭を下げたままそう言って、


膝をついて項垂れてしまった。


「う~~~~ん。


私には正直真実の愛とやらはよくわかりません。


ただ、ランジット様とは縁あって婚約したわけですし、


ランジット様を通して正妃様やマリエッタ様とも親しくさせていただいています。


ランジット様が私と結婚したくないのであれば、


無理して結婚してもお互いのためにはならないでしょう。


ただ、私はランジット様にも、ランジット様のご両親にも、正妃様にもマリエッタ様にも、


もちろん私の家族にもなるべく辛い思いはさせたくありません。


ランジット様もそうでしょう?」


アンジェリカは可能な限り優しく項垂れてしまったランジットに話しかけた。


ランジットとは婚約してからそれなりに仲良くやっていたし、


それなりにランジットのことは分かっていたつもりだ。


そう。


『それなりに』で『つもり』でしかなかった。


ランジットはおとなしくて真面目で、


とても優しかった。


本当は背のことをずっと気にしていたのだろうにそれを面と向かってはアンジェリカに言わなかった。


本当は放っておかれて嫌だったんだろうに、


楽しそうに二人で遊ぶアンジェリカとマリエッタに何も言わなかった。


ランジットはいつも言いたいことを我慢していたのだろう。


そのランジットが勇気を出して婚約破棄をきりだしたのだ。


変な話だが、アンジェリカは婚約破棄をきりだしたランジットを見て、


婚約してから初めてランジットを男らしいと思った。

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