我儘姫様の思考
「ランジットは私のいとこなの!!
アンジェリカはランジットと結婚するんだから、
アンジェリカと私は将来義理のいとこになるのよ!!
あなたより私の方がアンジェリカと親しいの!!
アンジェリカに近づかないで!!」
アンジェリカを勝手にお茶会に招いたリリアナに対して激怒したマリエッタにそう言われたリリアナは母親に泣きついた。
「あのアンジェリカとかいう子はあの女、
ゴホン、正妃様の甥の婚約者なのよ?
あんな子と親しくしなくても貴女の友人にふさわしい子は沢山いるわ!」
リリアナの母親である側妃は、
憎い正妃の甥の婚約者であるアンジェリカとリリアナが親しくすることにいい顔をしなかった。
母親がダメなら父親だ。
リリアナは可愛らしく頼めば最終的にはリリアナのお願いを何でも聞いてくれる父親の国王に泣きついた。
「可愛いリリアナ。
お前のたのみは聞いてやりたいが、
アンジェリカ嬢はランジットの婚約者なんだ。
ランジットは正妃の甥だ。
お前がアンジェリカ嬢と親しくなると色々ややこしくなる。
いい子だから我慢しておくれ。
代わりに新しいドレスでも宝石でもなんでも買ってやろう。」
「新しいドレスも、宝石も要らないわ!!」
リリアナはこれまで欲しいと思ったものはなんでも手に入った。
最新のドレスに高価な宝石、人の婚約者でもリリアナが望めばなんでもだ。
うまくいかなかったのはアンジェリカが初めてだった。
『なんで?なんで?ランジットとか言う人のせい?
アンジェリカがランジットの婚約者でなくなれば、
アンジェリカは私のものになる?』
箱入り娘で世間知らず、わがまま放題で育ったリリアナ姫の考えは誰も予想が不可能だった。