表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/27

侯爵令嬢と姫様

正妃にはランジットとアンジェリカより1つ年上のマリエッタという娘がいた。


ランジットの婚約者であるアンジェリカはランジットと一緒に王宮を訪れ、


マリエッタ姫や正妃とお茶会をすることがあった。


なぜだかマリエッタ姫はアンジェリカを異様に気に入り、


いとこであるランジットにせがんではアンジェリカを王宮に連れてきてもらい、


ランジットは放ったらかしでマリエッタ姫はアンジェリカと遊び倒した。


一方リリアナ姫はマリエッタ姫を敵視していた。


そもそも側妃と正妃は非常に仲が悪く、


お互い敵視しあっていた。


母親同士が敵視しあっており、


年が近く何かとマリエッタ姫と比べられることが多かったリリアナ姫は、


幼い頃から何についてもマリエッタ姫に勝とうとしていた。


そんなリリアナ姫はマリエッタ姫が異常に気に入っているというアンジェリカに興味を示した。











「特別に貴女とお友だちになってさしあげてもよくってよ。」






ある日リリアナ姫は突然アンジェリカを王宮に呼び出してそう言った。


訳もわからず呼び出されて困惑していたアンジェリカはリリアナ姫を見て、


『うわ~~~~~


可愛らし~~~~~』


リリアナ姫は天使のように可愛らしく、


可愛らしいものが好きなアンジェリカには目の保養になり癒されていたが、


リリアナ姫の突拍子もない台詞に困惑した。


自分が正妃の甥のランジットの婚約者であることや、


マリエッタ姫と親しくしていることを考えると、


アンジェリカは正妃寄りの人間であり、


側妃の娘であるリリアナ姫が自分と友達になりたい(?)という申し出の意図がよくわからなかった。


「えーっと?こ、光栄です?」


アンジェリカは言葉を選んでやっとそれだけ絞り出すとリリアナ姫は満足そうにうなずき、


一方的に自分がいかに皆に愛されているかや、


皆が自分のドレスや宝飾品を真似するとか、


とりとめもない自慢話を始めた。


普通の令嬢なら嫌気がさすところだが、


アンジェリカは女性の長話は嫌いじゃなかった。







『可愛らしいと何話しても癒されるわ~~』






つらつらと自慢話を続けるリリアナ姫に対して適当に相槌をうちながら話を聞いていたアンジェリカはぼんやり可愛らしいリリアナを眺めてお茶を飲んでいた。








「またそのうちお茶を一緒にしてあげてもよくってよ!」



最後にリリアナ姫がそう言って、アンジェリカはまた光栄ですと言って、お茶会は無事終了した。


アンジェリカは


『なんだかよくわからないけど、


リリアナ姫は可愛かったな』とたいして大事だと思っていなかったが、


リリアナ姫がアンジェリカを呼びつけたと聞いたマリエッタは激怒し、


それぞれの母親、側妃と正妃も巻き込んで、


大きな揉め事になってしまった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ