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魔法の力

 3匹の玉兎との戦闘が始まった。

 

 木の上から水魔法による攻撃で倒せないかと考えたが、

 叡智の声の解析の結果、水魔法Lv1と今の所持ゴールドでは、

 倒しきれないとのことだった。

 

 そして勿論、資産鑑定も行っている

 --------------------------------------

 種族:玉兎(★)

 総資産:5000G

 所持金:800G

 スキル資産:4000G

 --------------------------------------

 --------------------------------------

 種族:玉兎(★)

 総資産:3800

 所持金:800G

 スキル資産:3000G

 --------------------------------------

 --------------------------------------

 種族:玉兎(★)

 総資産:3800

 所持金:600G

 スキル資産:3000G

 --------------------------------------

 

 3匹共、スキル資産がさっきの個体より多い。

 転がるスキルがさっきの個体より、素早く

 威力も高かったため、スキルレベルが高いと判断できる。

 

 まともに戦えば勝てないだろう。

 俺達の手持ちは、さっきの玉兎から獲得した1100G。

 これでなんとかしなければならない。

 使えるスキルは水魔法とラカンの牙技だ。

 配分を間違えれば間違いなく死ぬことになる。

 

 ツーッと、顳かみに汗が滑るのを感じる。

 

 「いくぞ、ラカン! 作戦通りに頼む!」

 

 「オン!」

 

 ラカンは走り出す。

 

 「水魔法を発動。投下コストは――500G!」

 

 身体からお金が消費されていくのを感じる。

 

 待っていても特に何も起こる気配はない。

 「なんだこれ。発動しないぞ!このままじゃやばい!」

 

 『叡智の声! すぐに使い方を教えろっ!』

 

 《解答。投資コストを決め発動。

  発動のタイミングと同時に、発動場所、威力、形状等を

  頭の中でイメージすることで、イメージに沿った技名が決定され、

  頭の中に浮かんできます。技名を発することで、スキルを発現させることが可能です。

  尚、投下コスト以上の操作や調整等は行うことができません。

  》

 

 500G程度のコストでは大したことは出来なさそうが、

 精一杯の殺傷力をイメージする。

 

 イメージは、回転ノコギリ。

 水を収縮させ、薄い丸型の円盤に刃を形成。

 そしてその円盤を回転させる。

 すると《水回転刃ウォーターソー》という技名が頭に浮かんできた。

 

 「水回転刃ウォーターソー!!」

 

 スキルを発動すると、

 シュイイィィーンという音を出しながら、

 目の前に水によって生み出された、回転ノコギリが形成された。

 

 500Gでは、大きさは直径3cm程度か。

 

 「いけっ!!!」

 

 キュィィーンと音をだし、玉兎に水の刃が飛んでいく。

 

 やべぇ、想像以上に早いぞこれ。

 

 飛んで行った水の刃は玉兎に直撃した。

 頬を抉り、勢いは落ちず、毛と肉を切り刻みながら突き抜けた。

 

 「オン!」

 

 透かさずラカンが牙技で玉兎の首に噛み付く。

 玉兎は動くこともできずに、ラカンに噛み付かれ、

 首筋を噛みちぎられ、横たわった。

 

 《資産転換が行われました。2800Gを獲得しました。》

 

 よし! 一番強そうな奴を仕留めたぞ!!

 

 残りは玉兎2匹。

 2800G獲得し、

 水魔法で500G、牙技で100G使ったため、

 残りは3300G。

 

 「キュイィィ!」

 

 仲間を殺され、怒った玉兎が、

 転がりながら突っ込んできた。

 

 ――ここだ!

 

 「水魔法を発動。投下コストは1000G」

 

 目の前に50cm程の水球を2つ出現させるイメージを行う。

 

 「水球体ウォーターボール!」

 

 ――チャポンッ

 

 水球にぶつかった玉兎は、転がる勢いを完全に失い、

 水球にに捉えられる。

 

 「キュポッ!?」

 

 必至にもがいて抜け出そうとするが、

 すぐに捉えた水球を空中に浮かす。

 

 そのまま10mほど水球を上昇させ、

 上空で水球を弾けさせる。

 

 「キュア!?」

 

 突然水球が弾け、

 玉兎は、驚きながらも必至に体制を整え、落下に備える。

 

 「……もう終わりだ!」

 

 「水魔法発動。投資コストは500G」

 

 イメージは、細長い三角錐。

 

 「水棘ウォーターニードル

 

 玉兎の落下地点に、幅5mm、高さ1mほどの細が長い水の針を2本設置される

 

 ――グサッ

 

 落下した玉兎はそのまま、針に突き刺さり、動かなくなった。

 

 《資産転換が行われました。1900Gを獲得しました。》

 《資産転換が行われました。1700Gを獲得しました。》

 

 目の前に4匹の兎の死骸が転がっている。

 殺さなければ殺されていた、頭で解っていても、

 目の前の惨状に体は拒否反応を起こす。

 

 急な吐き気が襲い、盛大に吐いてしまった。

 

 「クゥゥン…」

 

 ラカンが心配している。

 

 「ごめんな、ラカン…。 もう大丈夫だから」

 

 「オン!」

 

 こうして、初めての戦闘は幕を閉じた。

 

 

 ―――2時間後

 

 初めての戦闘を終えた後、食糧になるかも知れないと、

 玉兎一匹を抱えて帰路についた。

 帰り道、良さげな木の実やキノコを見つけたら回収しておいた。

 食べれるかどうか、持ち帰って調べてみようと思ったからだ。

 

 そして、池の傍にある木の麓に座る。

 

 「お疲れ様、ラカン。助かったよ。ありがとう」

 

 「オン!」

 

 もう外は暗くなっていた。

 色々確認したいことはあったが、

 水を飲みながら、ラカンを抱えていると、

 急な眠気が襲ってきた。想像以上に疲れていたのか、

 そのまま意識を失うようにして眠りについたのだった――。

 

 

 

 《報告。【弁財天の琵琶】の効果により、所持金が1%増加しました。》

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