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Summer of the Dead  作者: 紅 紅
【悪夢の始まり】
1/10

悪夢の始まり

以前公開していた「僕の忘れられない夏」の改稿作品です。

大改稿に登場人物も増えています。

 ――はぁ、はぁ、はぁ、息が切れそうに走る。

多分今日ほど真剣に、命がけで走ったことは生まれてこの方無い、と思う。

冗談ではなく、言葉通り命がけの逃走、足が止まってしまえば死が、いや死よりも酷い運命が待っている。

「うわっ!」

 走り続けて足が限界になったのか、かくりと膝が崩れて道路に尻もちをついてしまう。

 ズルッ、ペタリ、コツ、ペタ、ペタ……と、呼吸を何とか整えようと血と腐臭の混ざった空気を吸うと、足音が複数聞こえて心臓が掴まれたようにズクリとする。

「い……嫌だ、死にたくない……」

死にたくない、こんなところで一人で死にたくない、こんな死に方は嫌だ。

 足音がさっきよりも近づいて足音だけじゃなく、姿も目に入る。

 ズタボロになった服であったもの、赤黒く引きずられている紐のようなもの。

 ぷん、と鉄臭い匂いが鼻をついて、吐きそうになる。

「い、嫌だ、来るな、来るなぁあああっ!」

 ズダン、と重い音が響いて目の前で血しぶきが飛んで、目の前が真っ赤に染まった。



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