表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

夢倉ミホ

朝6時30分。

いつものアラームで目を覚ます。やれやれ、もう朝か。

毎日毎日朝が早いなあ。


私、夢倉ミホ(ゆめくらみほ)は、吹奏楽部の副部長だ。

ちなみに楽器はクラリネットよりも低い音が出るバスクラリネット。

入部した時からこの楽器を吹きたくて2年生の夏、やっとのことでこのパートに移動することができた。

今は、移動した分遅れてしまった演奏技術を取り返すために頑張っている。





ふあああ・・・


大きなあくびを一つして、私はベットから出る。

全く、時間を止める能力とか使えたらいいのに・・・。

もし本当にそんな能力を手に入れたら私は間違いなくずっと眠っていることだろう。

そもそも人間は、なぜ時計とか時間とかを作ってしまったんだろうか。

自分たちで自分たちの首を絞めることは想像できなかったのだろうか・・・。

そんなことを思いつつも、何か大切な理由があったからだろうと考えてみた。

きっと、その人はキッチリとした一日を過ごしたかったんだろう。

ひとりで勝手に疑問を持って答えを捜す。最近はそんなことが私の「暇つぶし」になりつつあった。

今考えていたことも、「暇つぶし」の一部に過ぎない。



私はこうみえても小学生の頃からそこそこ勉強が出来ていた。

ある教科では、100点しかとったことがないということもあった。

勿論、小学生の時だが。

でも、中学校最初のテストから学年で1位をとったりと自分でも結構すごいと思う。

最近は調子が悪く、2位という悔しい思いをしているわけだが

勉強ができるということにあまり変わりはなかった。

それでいて、クラスをまとめる自治委員なんかに入ってしまっているわけだから、

先生達からも、ほかの生徒とは別の目で見られていた。


しかし、この「学年1位」や「2位」、「天才」、「自治委員」なんてもののせいで

クラスでは、「友逹」と呼べる人間は少なかった。

冷静に考えれば、「友逹」はいないのかもしれない。


そんなことを考えてしまって少し気持がブルーになってしまった。

朝から何をやっているんだ私は。時間もかなり押して来ている。

ひとまず朝食を食べないことには始まらない。

今日は、ココアとサンドウィッチだった。


急ぎ目にサンドウィッチをほおばりながらまた物思いにふける。


私のクラスでは吹奏楽部員は1人しかいない。

つまり、私だけだ。

だが、ほかのクラスには何人もいる。それが私の「友逹」であり「仲間」だった。

そういえばクラス替えで私一人になったとき、嫌で嫌でずっと泣いていたっけ。

それを、部活の「友逹」がよく慰めてくれたものだ。

今では泣くことはなくなったが、時々ふとほかのクラスが羨ましくなってしまうことがあった。



例えば隣のクラスで「友逹」が3人で楽しそうに黒板を掃除している姿を見たときは、羨ましくて仕方がなかった。

それで、少し不機嫌になったりして部活で周りを困らせたこともあった。


今思うと、何か恥ずかしいな。

きっとたくさん迷惑かけちゃったろうな。


そこまで考えて時計の針がもう家を出る時刻を指していることに気がついた。

やばい。

私はいつもの半分寝ぼけながらの速度とは比べ物にならないくらいの速さで

支度を済ませる。


これならなんとか間に合いそうだ。

急いで靴を履いて玄関の鍵を開ける。

ガチャリ。

ドアの開く音と共に太陽の光が私を照らした。


「行ってきます!」


ここから私の長い一日が始まった。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ