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■ 第71話 「黒い駅」

現実世界。


終電後。


地下鉄駅。


利用客は少ない。


会社員が数人。


学生が一人。


静かなホーム。


その時。


照明が一瞬だけ暗くなる。


沈黙。


誰かが小さく顔を上げる。


最近、こういう瞬間が増えていた。


会社員の男がスマホを見る。


掲示板通知。


『駅型夢報告増加』


男は小さく息を吐く。


最近、自分も見る。


黒い駅。


終わらないホーム。


目のない人影。


その時。


ホーム奥が黒く揺れた。


沈黙。


“人影”。


立っている。


動かない。


学生が少し顔をしかめる。


だが。


誰も大騒ぎしない。


最近、“妙な違和感”へ慣れ始めていた。


男は小さくメモ帳へ書く。


『地下鉄ホーム』


『黒影確認』


『距離維持』


その瞬間。


人影が少し薄くなる。


数秒。


そして。


静かに消えた。


電車が到着する。


普通の日常。


普通のアナウンス。


それでも。


世界は確実に変わっていた。


――観測記録


観測層:第3層

対象:現実世界


状態:都市侵食拡散段階


更新:

駅型接触事例を確認


変化:

人類側局地適応進行


評価:

都市部侵食 静的拡散中


補足:

公共空間での軽度侵食反応増加


追加記録:

記録行動による接触低下を確認


結論:

現実世界侵食 日常浸透継続中


(次話へ)


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