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第197話「境界の皮膚」

現実世界。


夜。


河川沿い。


工場地帯。


廃ビル。


市職員が三人。


昨日の碑の件。


続報確認。


懐中電灯。


壁。


落書き。


古いもの。


だが。


奇妙だった。


落書きの内側だけ。


色が残っている。


外側。


全て灰色。


劣化。


退色。


だが。


内側の線だけが。


鮮やかなまま。


赤。


青。


黄。


まるで。


侵食が届かない場所があるように。


一人が壁に触れる。


冷たい。


普通。


だが。


指を離した瞬間。


落書きの輪郭が。


わずかに揺れた。


気のせいか。


河川。


魚が浮く。


十七匹。


死んでいる。


だが。


腐っていない。


意味だけが。


抜けたように。


観測層:第4層


記録単位:境界異常


対象領域:現実世界


異常分類:


侵食境界不均一


選択的保存確認


進行方向:不明


備考:


一部領域において侵食が到達しない現象を観測。


記録主体:Archive


状態:稼働中


なぜ届かないのか。


まだ分からない。


記録は続く。

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