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第189話 消えた校歌

現実世界。


朝。


高校。


体育館。


全校集会。


生徒達が並んでいた。


いつもの朝。


いつもの流れ。


教師が指揮をする。


校歌斉唱。


前奏。


始まる。


その時。


沈黙。


誰も歌えない。


生徒達が顔を見合わせる。


教師も止まる。


歌詞はある。


譜面もある。


録音も残る。


だが。


意味にならない。


言葉として繋がらない。


校歌だと分かる。


だが。


歌えない。


誰も。


その時。


窓の外。


黒い鳥。


十七羽。


校庭を見下ろしていた。


静かに。


観測層:第4層


記録単位:文化継承侵食


対象領域:現実世界


進行度:増加


異常分類:


文化侵食


継承侵食


意味侵食


備考:


集団文化継承機能の低下を確認。


記録主体:Archive


状態:稼働中


個人だけではない。


共同体の記憶も失われ始めていた。


(次話へ)


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