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第183話 神のいない神域

ケルト世界。


森外縁。


夜。


霧。


神域。


かつて。


祭祀が行われた場所。


神兵達が確認に来ていた。


沈黙。


異常は無い。


木々も。


石も。


風も。


そのまま。


だが。


何かが違う。


若い神兵が呟く。


「何の場所でしたっけ」


誰も答えられない。


神域。


だと分かる。


だが。


誰の神域か。


何を祀ったのか。


何故存在するのか。


全て消えている。


老神兵が目を閉じる。


長い沈黙。


答えは無い。


森奥。


狼。


二十匹。


並ぶ。


近い。


だが。


越えない。


観測層:第4層


記録単位:祭祀侵食


対象神話:ケルト


進行度:増加


異常分類:


文化侵食


意味侵食


継承侵食


備考:


神域機能維持。


信仰対象消失。


記録主体:Archive


状態:稼働中


場所は残る。


意味だけが奪われる。


(次話へ)


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