表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

21/37

エルメリア

 エクリシア帝国の首都、エルメリアへ到着した。ヴァレンシアの都よりも明るく、華やかで開けた印象のある都市だ。

 ヴァレンシアは他国と隣接しているため、戦争にも備えた要塞都市だが、エルメリア城は人々が往来しやすい立地にあった。


「オシャレな街並みね。お店がズラッとあって、眺めてるだけでワクワクするわ」


 馬車の中から見える範囲でもそう思うのだから、実際に外を歩けたらどんなに楽しいだろう。


 昨夜ダグラスにお伺いを立てたところ、具体的な地名や、それと分かる風景や物を映さなければ、屋外での配信も良いとのことだった。

 最も慎重にならなければいけないことは、特定の人間との交流を匂わせてはいけないということらしい。


「あくまでも君は、ファンタジーな存在でいてほしい。皆の愛する聖母様は、生々しい人付き合いなどせず、フワフワとした夢の国に生きていなくちゃいけない。今回の旅行に関しても『どこか遠くで一人バカンスを楽しんでいる』というふんわりした情報に留めてほしい。そこまでなら国民も許容できるんだよ」


 それは常にダグラスが私に求めている聖母像だった。人々に熱狂的に愛され、国王までを狂わせた悪女というイメージ一変させ、新たな認識を根付かせるための。夢のように生きる、実害のないファンタジーな存在なのだと。


「城の用事が終わったら一緒に街歩きしよう。居場所が特定できないようになら、配信しても良いんだよな」


 エリオス王子が言った。


「ありがとう。でも目立って大騒ぎにならない?」


「人が多い場所ではやめておいた方がいいだろう。目立つだろうな。通信鏡で個人のやり取りをする者はいても、国民向けに一斉配信する者は我が国ではいない。そもそも高価な通信鏡を持ち出そうと思わないしな。アイリーナの魅了に関しても心配だが、初めて会う人間がごく短時間見る程度は大丈夫だな。滞在中、エルメリアに来るのは今日が最初で最後にしよう」


「ご配慮感謝します。でも目立って心配なのはエリオスのことよ」


「行く前に着替えるよ。俺だと分かったところで、騒ぎ立てる馬鹿もいないだろう。昔、気安く絡んできた輩をその場で斬ったからな」


 サラッと言ってのけたエリオスに目を丸くした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ