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夜も一緒に

 ルトヘルの案内で城内を一巡りした。広いので半日かかった。

 昼食も一人で取り、エリオス王子とは午後のティータイムで再会した。雑談をしながら、それとなく王子を観察した。


 ルトヘルに魅了が効き始めているのかどうか、見極めはできなかった。特に目立った言動は見られず、あれは単に社交辞令の部類だったのかもしれないと思えた。

 ルトヘルとラウリは魅了防御魔法で自衛しているし、私といた時間は少ない。


 肝心のエリオス王子は?


「明日は帝都エルメリアへ行く。アイリーナも一緒に」


「何があるんですか?」


「エルメリア城へ用事がある。それはすぐ済むんだが、アイリーナと過ごす時間が今日以上に短くなるのは耐えられん。悪いが同行してくれ。ついでに都の観光もしよう。せっかく我が国へ来てくれたのに、どこへも出掛けずにいるのも退屈だろう。配信のネタにもなるだろう」


 観光、配信ネタと聞いて目が輝いた。

 昨夜アルディア国民へ配信した後に、「あんなに短くて良かったのか?」「ネタが無いので」というやり取りをしたことを覚えてくれていたようだ。

 

「街並みとか食べ物とか、映しちゃっていいんですか?」


「城内は駄目だが、外はいいよ。むしろ我が国の素晴らしさを宣伝してもらいたいくらいだ。楽しい場所や美味い料理を。ああ、でもアイリーナがエクリシアへ来ていることは極秘なんだったな。秘密にしていないとやっぱりまずいのか?」


 う〜んと考えた。

 ダグラスが懸念したのは、私が一カ月もアルディアを離れて外国へ行くことを知れば、国民がパニックになるのではないかということと、私を追ってエクリシアへ押しかけるムーブが起こるかもしれない、ということだったが。


 国内にいても楽園に隔離されていて、国民との接触は配信鏡を通してのみ。どこにいてもそれは変わらない。配信さえ欠かさず続けていれば、大丈夫じゃないだろうか。

 それにエクリシアまでは遠いし、来たところで広いし、ピンポイントで居場所を知られなければ良くないだろうか?


「ダグラスに聞いてみるわ。アルディア国王陛下に」


 つい気安い口調で応じてしまったが、エリオス王子は全く表情を変えずに


「そうだな、それがいい。それに俺と話すときにも今のような口調で、自然なアイリーナでいてほしい」


 と言った。


「それと昨日も言ったが、今日からは夜を共にしたい。一日でも早く君に魅了されたい。君もダラダラと我慢するよりも、てっとり早く終わらせた方がいいだろう。ダグラス国王陛下のもとに早く帰れるように」

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