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過去と呼ぶには近すぎる記憶

そのまま無視してもよかったけれど、過去の記憶がそうはさせてくれなかった。憎悪や執着や失望など言葉を尽くしてもこの感情の行き場を、まだ20年も人生を生きてきていない僕には表すことができなかった。そんな感情を心の中で渦巻かせながらとぼとぼと歩き、彼女が言っていた店の近くに着くとあの頃と少しやつれたが、それでも美しく、憎たらしい笑顔を僕に見せながら手を振って、こちらに手を振ってきた。その手に引かれるように足を動かし、席に座った。

彼女「進藤君は何が飲みたい?」

進藤「…スターバックスオレで」

彼女「わかった、私が誘ったから私が払うよ。」

進藤「いや…わかった。ありがとう。」

彼女「いいえ、どういたしまして」

彼女に対して、今にも吐き出したい感情を抑えて、事務的に言葉を紡ぐ。

戻ってきた彼女に対して、きつい口調で問う。

進藤「なんで俺を誘ったんだ、今更何の用だよ」

彼女「用も何もないよ、久しぶりだから話したかっただけ。にしても進藤君の志望校私と同じなー」

進藤「お前になくても俺にはあるんだよ!」

めったに出さない大きな声で彼女の言葉を遮る

すると驚いたようでいて、そして待っていたかのように

彼女「全国大会のことなら悪いとは思ってるけど、話したくないな」

とわけのわからない返答を返してきた。

進藤「意味わかんねえよ」

彼女「いつか分かるんじゃない?」

そう言い残し去っていった彼女のコップには水滴が多くついていた。


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