表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/54

【忘れられた王の墓】Ⅱ

「”””命ノ残響──完全消去ヘ移行スル”””」


何かヤバい…っ!俺の第六感が今すぐここから離れろと命令を下す。


だが...逃げる暇はなさそうだ…。ならば一つ。護るしかない。


「間に合え!!!【月輝盾花(ルミナス・イージス)】!!!」


ルナリアの魔力が流れ込むと同時に、背後の【月環】が淡く脈動する。


輪の構造が一瞬、無数の花弁状に分割されたかと思うと──


キィィン……カシン……


【月環】が半透明の”銀色の花”を描き、俺の前面に”花弁状”の防壁を展開する。


粒子が交差し、盾環の中心からは”月光”のような優しい光が溢れ出す。


「”””【断罪】”””」


《デス=ザ=リーパー》の無機質な声が響く。それは死神の宣告か、はたまた天からの裁きか。


【死 】の魔力が上空に集中し始める。その異様な光景は暗黒の太陽が出来たと錯覚するほど…。

その太陽が秘める魔力量は想像を絶する程だと言うのは、見るだけで分かると言うモノ。


「俺を中心に囲う様に展開だ!最大出力、出し惜しみしない!!」


この攻撃に出し惜しみは無しだ。その瞬間に生を絶たれる可能性がある。


月輝盾花(ルミナス・イージス)】の花弁が俺の周囲を覆う様に配置される。ルナリアもイグナリアもこの範囲に閉じ込める。今この場で一番生存確率高い場所。


「”””【断罪】ノ時──世界ヲ無二”””」


そうして…【死】が降り注がれる。


世界から音が無くなり、【死】の波動が螺旋状に放たれる。触れたものは一瞬にして命の灯を失い、魂すらも掻き消される。


【死】の波動が”銀色の花弁”に衝突し、悲鳴のような金属音が響く。


──ギィィィィィンッ!!


歯を食いしばり、円環の律動を感じ取る。【月環】の”脈動”と、己の鼓動を重ねるようにして、共鳴を強める。


──ガコン…ガコン…ガコン…


【月環】の輝きが一段と強まり、何度か回転する。花弁の一枚一枚に新たな“繊細な模様”が浮かび上がる。それは月の満ち欠け──”月相”を象った紋章。魔力の律動がさらに整い、【月輝】の力が“守護”へと最適化されていく。

死の波動が直撃するたび、花弁が一枚、二枚と砕けていくが──砕けた瞬間に、【月環】がそれを再生する。そして…再生するたびにその花弁がさらに強固となって、【死】の波動を食い止める。


そして…【死の波動】が完全に止まる。


「防ぎ切ったか…とんでもねぇ技使いやがって」


多分だが、あの 【死】の波動に当たった瞬間に【死】の”干渉”が働く。そうなれば俺の”干渉”で否定しなければ…【死】が確定する。此奴の攻撃は何一つ当たってはいけないのだ。


「お前の核、捉えた」


【ルナティック・アイ】により《デス=ザ=リーパー》のコア部分。動力源とでも言うべきところは見つけている。


龍剣”セラ”に魔力を纏わせる。戦えば戦う程強くなる性質をもった剣。

龍剣”セラ”…護りよし、攻めよしの圧倒的性能を誇る武器。


その”セラ”に【灼銀】の魔力を流し込む。


さぁ…二回戦としゃれこもう。


「ここからは乱打戦だ!」


《デス=ザ=リーパー》…確かに物凄い性能をしたアーティファクトだ。だが、生物では無い。


グラディアス=インフェリオみたいに戦うごとに強くなっていく化け物では無い。それにあの時と違い…俺には新しい力、武器、仲間が出来た。ならば勝てない道理はないだろ?


──ドンッ!!!


爆発的な踏み込み。地が砕け、銀月の残像が世界に残される。


視界が霞のように揺れ、次の瞬間には《デス=ザ=リーパー》が目前。


相手が動いたのではなく、俺が動いた。そのステータスと身体強化、それにルナリアの魔力もろもろが合わさって途轍もないステータス補正が得られている。


一太刀──二太刀──三太刀。


ただの連撃ではない。一撃ごとに剣に“赫”が蓄積していく。まるで戦闘そのものを糧にしているかのように。どれほど斬れば”赫”が最大になるのかは分からない。が…分からないなら”次の段階”まで斬り続ければ良い。


コアまで刃は届かない。だが、斬り続ける。どれだけ弾かれようと、俺は斬り続けるだけだ。


「”””損傷ヲ確認。修復システム稼働──修復完了”””」


再生が早い...。あのコアを壊さないと無尽蔵の魔力によりダメージが瞬時に回復されてしまう。


「”””【天裁】”””」


やばいっ!!!


【断罪】の時と似た感じの波動…また来る…っ!


「【月輝盾花】展開!!」


白銀の光が咲き乱れ、花弁の形をしたシールドが周囲に浮かび上がる。


「”””神ノ裁キ”””」


《デス=ザ=リーパー》が手に持つ死神の鎌を一閃。


だが、その斬撃には【死】の魔力が濃密に纏わりついている。


「護りきれ!!」


飛んでくる【死】の斬撃に【月輝盾花】を合わせる。


──ギィィンッ!!!


死神の鎌が盾花に激突。


銀色の火花が夜空に散り、【月輝盾花】が粉々に砕けちる。だが、砕け散っても再生されていく。


「っ…!再生が間に合わない……!」


【死】の斬撃に当たるたびに砕け散る花弁。だが...このまま護っているだけじゃこいつに勝つことは出来ない。


「それでいい……。俺も、削っていくからな……!」


目の前で散っていく銀月の花弁を横目に、攻撃を始める。


儚く散る銀月の花弁、しかし、その先には”赫く”舞う斬撃。


「っ!避けきれないよなっ!!だが...っ!!」


そして銀月の花弁を裂きながら【死】斬撃が到達する。


…だが、その威力は既に脅威ではなくなった。銀月の花弁…【月輝盾花】があいての【死】の魔力を最大限削ぎ取ってくれている。要するにデカい鎌から放たれるただの斬撃になった。


”なら…生身でも受けれるよな?”


そして...斬撃が俺の体に飛んでくる。


「ぐおっ!!!!!!!」


力なく壁に叩きつけられるが…死んでは無い。【死】の魔力を削ぎ取ったおかげで何とかなったみたいだ。


「はっ!!来たぜ来たぜ…俺の体力は残り45%だ」


それが意味することは。


【熾哭の誓約】…戦闘中、体力が50%以下になると自動的に剣身が赫く輝き、攻撃力と敏捷が20%上昇する”セラ”の持つスキル。それが発動するって事だ。


叩きつけられた身体を起こす。身体機能が上昇している…はっきりと感じる。


それに…”セラ”刀身も更に輝きを増している。


「こっからは俺のターンだ!!」


20%の上昇。…それはステータスが大きいほど恩恵がある。俺のステータスは既に人間離れしているだろう。


”赫”の反撃が今始まる。


「うおらぁぁあああ!!!」


お前は只の人形だ。プログラムされたコードに従うだけの人形なんだよ。


”赫”が爆ぜ、【月輝】が暗闇を照らす。【死】の魔力を上書きするように、”銀”が、”赫”が、”黄金”が空間を支配する。


そして…来たっ!


”赫”に染まった剣が、強い輝きを帯び始める。”赫”が最大まで蓄積した証だろう。


「待ってたぜ!!この時を!」


”セラ”に溜まった”赫”を解放する。戦えば戦う程強くなる剣。


「進化しろ!”セラ”ぁぁあああ!!!」


その呼びかけに呼応するように、”赫”が世界を染めた。

天裁は鎌を薙いでるイメージで。斬撃自体は横からなんですよね。だから防御行動をとりながら攻撃が出来るって感じです。これが真正面からの斬撃なら攻撃は出来ないですね。

まだまだ戦闘シーンが続くのでお楽しみください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ