【忘れられた王の墓】Ⅰ
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忘れられた王の墓 推奨lv 1000 危険度SSS
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入った瞬間に絶望を感じる。はい?
「もしかして…隠しフロアですかこれ」
軽い気持ちでいたが…入った先が隠しダンジョンだとは思わなかった。
しかも危険度SSS?おいおい…死地に飛び込むとはこのこと。
『早く行きましょう。ここは人族には毒でしょうし』
確かに、この辺りを纏う雰囲気…瘴気とでも言うべきか。
「【身体強化煌】」
取り敢えず身体強化を発動させておく。毒を多少無効かしてくれる。それに奇襲に対して即座に反応するためだ。危険度SSSならば備えておく必要がある。
【光輪】が使えない以上このダンジョンに出てくるモンスターと戦いたくはない。
《ミゼリア=ナハト》を装備し、存在を隠す。精霊が居る以上気休めでしか無いかもしれないが…。
『あら…お人形さんが来ましたよ』
早速かよ…。まあ人形なら何とかなるかな…。【光輝】の魔力と相性が良さそうだし。
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《デス=ザ=リーパー》 lv 950 忘れられた王が作成したアーティファクトの一つ。
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アーティファクトって此奴の事かよ…。めっちゃ強いやん…。
「逃げよう。こいつは今じゃ勝てない」
《ミゼリア=ナハト》を装備している以上素通り出来る筈だ。
『多分無理ですよ。そのマントが凄いのも分かるけど…彼の作ったアーティファクトは神器クラスだもの』
えぇ…。じゃあどうすれば…。【光輪】が使えない状態で俺がコイツに勝てる事は無いだろう。
どうする…あいつに気が付かれたらお終いだ。
『その【光輪】があれば勝てる?』
「怪しいな…。レベル差が結構ある」
それすなわちステータスに大きな乖離がある。だが…一応【光輝なる果実】を使えば何とか勝てそうではある。
『特別…私の力…今だけ貸してあげる』
《月の精霊》の力…果たしてどんな力なんだろう。
一時的な契約みたいなものか?俺には良く分からないが…取り敢えず力を貸してくれるなら勿論借りる。
『今あなたに私の力を渡した…これであの子を還してあげて…』
あの子ってあの仰々しい死神の事か?あの子と言うには見た目がちょっと…。
まあ造り物なんだろうけど、アーティファクトって事は…。
取り敢えず…ステータスを確認してどんなスキルが増えたかだけ見るか。
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小鳥遊帳 【光輝なる民(人族)】 lv 500
体力:30000
魔力:40000
筋力:15000
敏捷:15000
知力:3500
運 :3500
スキル一覧
古代語 LvMAX、剣術 Lv10、身体強化 【煌】、エルドラドの瞳【封】、【光輝共鳴】、【光輝変換】、【月輝共鳴】、【月輝循環】
称号一覧
【光輝なる民】、黄金郷の踏破者、記憶を紡ぎシ者【封】、【赫輝】屠りし者、因果から外れし者
【絶望の断鎌】屠りし勇者、素材マニア、
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『あなたの魔力と共鳴したみたい。多分にたスキルに変換されてるわ』
なるほど…。多分【光輝共鳴】などに近いスキルになったのか。ただし…その魔力や性質は別物だと…。
「サンキュ…【月環】展開」
月は、すべてを見下ろす。その冷たい銀光が俺を照らす――まるで導くように。
名付けるなら……そうだな。これは【月輝】の魔力。夜を統べる”銀月”の祝福。そして、お前の意志の輝きだ
俺の背後で、光が静かに渦を巻く。
月の軌道をなぞるように、粒子が螺旋を描き、白銀の環を編み上げる。
【光輪】が“太陽”であったなら、この輪はまさに“月”。
『すごい……あなたと私の魔力が、混ざり合ってる……とても、綺麗……』
「お前が美しいからな。受け継いだだけだ」
『……!? ちょ、ちょっと!何口説いてんのよ!?私という存在がありながら!』
騒がしい声が耳元で反響する。どうやら嫉妬も混じっているらしい。
『ふ、ふんっ!!……こうなったら私の魔力も注入してやるわ!』
おいおい、勝手に魔力が流れてきたぞ……。
【月輝】の柔らかな波動と、イグナリアの熱を帯びた魔力が溶け合い――“灼銀”の輝きが、俺の全身を走る。
【光輝】の真理、【月輝】の静寂、そして【炎】の情熱。異なる魔力たちが、今、俺の中で”拒絶”ではなく”共鳴”している。
粒子が踊る。月光が編む織物のように、銀の螺旋が集い、輪が律動する。
それは静かなる意志の具現。
「【月環】、安定……魔力接続、【月輝共鳴】」
灼銀の魔力線が俺の四肢へと流れ込み、鼓動と一体化していく。
「ルナリア……お前の最後の灯火、俺がすべて継ぐ」
「──視界、転送──【ルナティック・アイ】展開」
視界が銀白に染まる。
森羅万象の”核”が見える。命の粒、魔力の流動、魂の輪郭――
それは、世界の”真理”に踏み込む瞳。”未来”を見るのでは無く…世界の真理を見通す瞳。それが【ルナティック・アイ】。
「先手必勝!!。ぶっ飛べ──【月華輝刃】!!!」
【月環】と一体化した”灼銀”の魔力が愛剣”セラ”を包み込む。
刃が唸るたび、空間が震える。放たれるのは、月光の輝きを纏った斬撃。ただただ魔力を剣に纏わせて放つだけの技。
斬閃、闇を裂き、夜を断つ。
だが…それだけで倒れる相手でもない。
「”””対象捕捉完了魂収穫ヲ実行”””」
《デス=ザ=リーパー》の声。どこかルナリアに似たその声は驚くほど無機質で、冷たく鋭い印象を受けた。
ってかコイツ喋るんだ。びっくりしたぁ。
「まあ無理だよな。だが…まだ始まったばかりだぜ」
【月環】の能力を確かめていく段階だ。まだまだ試したい事がある。耐えてくれよ?《デス=ザ=リーパー》!!
「”””抹消モードへ移行──《魂断領域・ナンバーA31》展開”””」
空間が音を失い、周囲の世界が一瞬にして"死"へと染まる。床の石が黒ずみ、植物の痕跡すらも灰へと変じた。その魔力の本質は【死】。あまりに純粋で、あまりに凶悪な魔力。
【光輝】と【月輝】の魔力に護られているお陰で【死】の魔力に当てられては無いが、普通の生物なら即死だろうな。《デス=ザ=リーパー》の名に相応しい魔力だ。
「行くぜルナリア。耐えろよイグナリア。俺の【光輝】、ルナリアの【月輝】、イグナリアの【炎】、一切合切全部ぶっ放す!!」
『まかせて帳!』
先ずは第一ぃ!!!
【月環】がガコンと音を立て回転する。そして…イグナリアの魔力を吸収し始める。【月環】がイグナリアの魔力を吸収し始めたことにより…【赫月環】へと変貌を遂げた。
「先ずは一つ目!【イグ二ス・フォウル】!!!」
赫に染まった【月輝】。その魔力が《デス=ザ=リーパー》の体に纏わりつく。
ダメージが入る訳では無い。【イグ二ス・フォウル】の本質…それはデバフだ。
【赫月輪】から放たれるその赫に染まった【月輝】の魔力。魔力が纏わりついた《デス=ザ=リーパー》は今著しく防御力が低下している。それは甲冑を溶かす【赫銀】の炎。俺とイグナリア、そしてルナリアの合わせた魔力を上手く利用したスキルだ。
「そして二つ目ぇ!!!!【月輝涙天】!!!」
【光輝】の魔力と【月輝】の魔力…その二種の魔力がてんから降り注ぐ涙の如く襲い掛かる。
「”””死ノ演算ヲ阻害──命令系統、錯乱──”””」
ダメージは問題なく入っている。このまま使えるスキルを試し打ちしていこう。俺の愛剣…”セラ”の初の強敵だ。簡単にくたばってくれるなよ。
「行くぜ”セラ”…」
俺の呼びかけに呼応するように、セラの刀身が赫く輝きだす。”赫”を貯めることで”セラ”は次の段階へ進化する。
「”””損傷ヲ修復──侵入者ノ排除続行”””」
死神のマントが風もないのに揺れ、異音が辺りに響く。
キィン……キィ……カチン……
刹那──死神の鎌が目に留まらぬ速さで迫って来た。
「うおっ!!!!あぶねぇ!!」
躱した訳では無い。もともと当たって居なかった。多分少し座標がずれたのだろう。相手は生物では無い。造られた物だ。
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