表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/54

【忘れられた王の墓】Ⅰ

ー-----------------------------------


忘れられた王の墓 推奨lv 1000 危険度SSS


ー-----------------------------------


入った瞬間に絶望を感じる。はい?


「もしかして…隠しフロアですかこれ」


軽い気持ちでいたが…入った先が隠しダンジョンだとは思わなかった。


しかも危険度SSS?おいおい…死地に飛び込むとはこのこと。


『早く行きましょう。ここは人族には毒でしょうし』


確かに、この辺りを纏う雰囲気…瘴気とでも言うべきか。


「【身体強化煌】」


取り敢えず身体強化を発動させておく。毒を多少無効かしてくれる。それに奇襲に対して即座に反応するためだ。危険度SSSならば備えておく必要がある。


【光輪】が使えない以上このダンジョンに出てくるモンスターと戦いたくはない。


《ミゼリア=ナハト》を装備し、存在を隠す。精霊が居る以上気休めでしか無いかもしれないが…。


『あら…お人形さんが来ましたよ』


早速かよ…。まあ人形なら何とかなるかな…。【光輝】の魔力と相性が良さそうだし。


ー-----------------------------------


《デス=ザ=リーパー》 lv 950  忘れられた王が作成したアーティファクトの一つ。


ー-----------------------------------


アーティファクトって此奴の事かよ…。めっちゃ強いやん…。


「逃げよう。こいつは今じゃ勝てない」


《ミゼリア=ナハト》を装備している以上素通り出来る筈だ。


『多分無理ですよ。そのマントが凄いのも分かるけど…彼の作ったアーティファクトは神器クラスだもの』


えぇ…。じゃあどうすれば…。【光輪】が使えない状態で俺がコイツに勝てる事は無いだろう。


どうする…あいつに気が付かれたらお終いだ。


『その【光輪】があれば勝てる?』


「怪しいな…。レベル差が結構ある」


それすなわちステータスに大きな乖離がある。だが…一応【光輝なる果実】を使えば何とか勝てそうではある。


『特別…私の力…今だけ貸してあげる』


《月の精霊》の力…果たしてどんな力なんだろう。


一時的な契約みたいなものか?俺には良く分からないが…取り敢えず力を貸してくれるなら勿論借りる。


『今あなたに私の力を渡した…これであの子を還してあげて…』


あの子ってあの仰々しい死神の事か?あの子と言うには見た目がちょっと…。


まあ造り物なんだろうけど、アーティファクトって事は…。


取り敢えず…ステータスを確認してどんなスキルが増えたかだけ見るか。


ー----------------------------------


小鳥遊帳 【光輝なる民(人族)】  lv 500


体力:30000


魔力:40000


筋力:15000


敏捷:15000


知力:3500


運 :3500


スキル一覧


古代語 LvMAX、剣術 Lv10、身体強化 【煌】、エルドラドの瞳【封】、【光輝共鳴オウリス・リンク】、【光輝変換オウリス・コード】、【月輝共鳴(ルミナス・リンク)】、【月輝循環(ルミナス・コード)


称号一覧


【光輝なる民】、黄金郷の踏破者、記憶を紡ぎシ者【封】、【赫輝】屠りし者、因果から外れし者


絶望の断鎌(ヴェル・シン・サイズ)】屠りし勇者、素材マニア、


ー-----------------------------------


『あなたの魔力と共鳴したみたい。多分にたスキルに変換されてるわ』


なるほど…。多分【光輝共鳴(オウリス・リンク)】などに近いスキルになったのか。ただし…その魔力や性質は別物だと…。


「サンキュ…【月環】展開」


月は、すべてを見下ろす。その冷たい銀光が俺を照らす――まるで導くように。


名付けるなら……そうだな。これは【月輝】の魔力。夜を統べる”銀月”の祝福。そして、お前の意志の輝きだ


俺の背後で、光が静かに渦を巻く。


月の軌道をなぞるように、粒子が螺旋を描き、白銀の環を編み上げる。


【光輪】が“太陽”であったなら、この輪はまさに“月”。


『すごい……あなたと私の魔力が、混ざり合ってる……とても、綺麗……』


「お前が美しいからな。受け継いだだけだ」


『……!? ちょ、ちょっと!何口説いてんのよ!?私という存在がありながら!』


騒がしい声が耳元で反響する。どうやら嫉妬も混じっているらしい。


『ふ、ふんっ!!……こうなったら私の魔力も注入してやるわ!』


おいおい、勝手に魔力が流れてきたぞ……。


【月輝】の柔らかな波動と、イグナリアの熱を帯びた魔力が溶け合い――“灼銀”の輝きが、俺の全身を走る。


【光輝】の真理、【月輝】の静寂、そして【炎】の情熱。異なる魔力たちが、今、俺の中で”拒絶”ではなく”共鳴”している。


粒子が踊る。月光が編む織物のように、銀の螺旋が集い、輪が律動する。


それは静かなる意志の具現。


「【月環】、安定……魔力接続、【月輝共鳴(ルミナス・リンク)】」


灼銀の魔力線が俺の四肢へと流れ込み、鼓動と一体化していく。


「ルナリア……お前の最後の灯火、俺がすべて継ぐ」


「──視界、転送──【ルナティック・アイ】展開」


視界が銀白に染まる。


森羅万象の”核”が見える。命の粒、魔力の流動、魂の輪郭――


それは、世界の”真理”に踏み込む瞳。”未来”を見るのでは無く…世界の真理を見通す瞳。それが【ルナティック・アイ】。


「先手必勝!!。ぶっ飛べ──【月華輝刃】!!!」


【月環】と一体化した”灼銀”の魔力が愛剣”セラ”を包み込む。


刃が唸るたび、空間が震える。放たれるのは、月光の輝きを纏った斬撃。ただただ魔力を剣に纏わせて放つだけの技。


斬閃、闇を裂き、夜を断つ。


だが…それだけで倒れる相手でもない。


「”””対象捕捉完了魂収穫ヲ実行”””」


《デス=ザ=リーパー》の声。どこかルナリアに似たその声は驚くほど無機質で、冷たく鋭い印象を受けた。


ってかコイツ喋るんだ。びっくりしたぁ。


「まあ無理だよな。だが…まだ始まったばかりだぜ」


【月環】の能力を確かめていく段階だ。まだまだ試したい事がある。耐えてくれよ?《デス=ザ=リーパー》!!


「”””抹消モードへ移行──《魂断領域・ナンバーA31》展開”””」


空間が音を失い、周囲の世界が一瞬にして"死"へと染まる。床の石が黒ずみ、植物の痕跡すらも灰へと変じた。その魔力の本質は【死】。あまりに純粋で、あまりに凶悪な魔力。


【光輝】と【月輝】の魔力に護られているお陰で【死】の魔力に当てられては無いが、普通の生物なら即死だろうな。《デス=ザ=リーパー》の名に相応しい魔力だ。


「行くぜルナリア。耐えろよイグナリア。俺の【光輝】、ルナリアの【月輝】、イグナリアの【炎】、一切合切全部ぶっ放す!!」


『まかせて帳!』


先ずは第一ぃ!!!


【月環】がガコンと音を立て回転する。そして…イグナリアの魔力を吸収し始める。【月環】がイグナリアの魔力を吸収し始めたことにより…【赫月環】へと変貌を遂げた。


「先ずは一つ目!【イグ二ス・フォウル】!!!」


赫に染まった【月輝】。その魔力が《デス=ザ=リーパー》の体に纏わりつく。


ダメージが入る訳では無い。【イグ二ス・フォウル】の本質…それはデバフだ。


【赫月輪】から放たれるその赫に染まった【月輝】の魔力。魔力が纏わりついた《デス=ザ=リーパー》は今著しく防御力が低下している。それは甲冑を溶かす【赫銀】の炎。俺とイグナリア、そしてルナリアの合わせた魔力を上手く利用したスキルだ。


「そして二つ目ぇ!!!!【月輝涙天】!!!」


【光輝】の魔力と【月輝】の魔力…その二種の魔力がてんから降り注ぐ涙の如く襲い掛かる。


「”””死ノ演算ヲ阻害──命令系統、錯乱──”””」


ダメージは問題なく入っている。このまま使えるスキルを試し打ちしていこう。俺の愛剣…”セラ”の初の強敵だ。簡単にくたばってくれるなよ。


「行くぜ”セラ”…」


俺の呼びかけに呼応するように、セラの刀身が赫く輝きだす。”赫”を貯めることで”セラ”は次の段階へ進化する。


「”””損傷ヲ修復──侵入者ノ排除続行”””」


死神のマントが風もないのに揺れ、異音が辺りに響く。


キィン……キィ……カチン……


刹那──死神の鎌が目に留まらぬ速さで迫って来た。


「うおっ!!!!あぶねぇ!!」


躱した訳では無い。もともと当たって居なかった。多分少し座標がずれたのだろう。相手は生物では無い。造られた物だ。

ブックマーク、感想でモチベが上がるのでよかったらお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ