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光輝なる光が、夥しく空間を照らした。


それは太陽のようでありながら、月の静謐も内包していた。


【赫輝】灼炎鳥の神炎すら、まるで夜明けに敗れる焔のように、薄れていく。


空間が割れたような閃光の後――


そこに、一人の男が立っていた。


彼の髪は淡く金に輝き、その瞳はすべてを見通すような双の光。


まとっていた装備は焼け落ちていたが、代わりにその肉体には、金色の紋様が脈打つように浮かび上がっていた。


「……これは、俺の内に……あったものか……?」


まるで周囲の空間が、その声だけを聞こうと耳を澄ませるように。


【赫輝】灼炎鳥が、わずかに羽を震わせた。


その双眼に、恐れとも、理解とも、畏敬ともつかぬ光が宿る。


「……光輝の欠片。お前は確かに、モンスターを変貌させる毒だった。だが……本質は違う」


帳は静かに手を開いた。


その掌には、欠片の光が残っている。

だがそれは欠片ではなく、すでに“繋がった環”。

《光環──エルドラドの意志》。

龍王が残した真なる叡智が、帳とひとつに融合していた。


「俺は……“選ばれた者”じゃない。選んだんだ。自分の足で、ここに立つってことを」


【赫輝】灼炎鳥が羽ばたく。

風が巻き起こり、蒼炎が渦巻く。

再び、戦いが始まる。

だが――今やその均衡は、崩れた。


「行くぞ。龍の民として、この赫輝の神炎すら、討ち滅ぼして見せる……!」


黄金の光が収束する。


ー-----------------------------------


小鳥遊帳  20歳 lv 251 【光輝共鳴状態】


体力:14,500


魔力:24,000


筋力:6,900


敏捷:7,200


知力:3000


運 :3500


スキル一覧


古代語 LvMAX、剣術 Lv10、身体強化 Lv8、エルドラドの瞳【開放状態】、【光輝共鳴オウリス・リンク


称号一覧


黄金龍王エルドラドの民【真】、黄金郷の踏破者、記憶を紡ぎシ者【封】


ー------------------------------------



【赫輝】灼炎鳥が、空を舞う。

翼が一振りされるたびに、蒼炎が空間を斬るように走った。


「カアァァァァアアアアアッ!!」


灼熱の咆哮。

そして、次の瞬間、視界が――金に染まる。


──《視界展開:未来視・エルドラドの瞳》

──時間差:3.2秒先

──視認範囲:360度

──未来干渉率:32%


「……来る」


意識を介さず、思考より先に未来が“見える”。

【赫輝】灼炎鳥の軌道、その翼の角度、蒼炎の収束――

次の攻撃が、どこから、どんな速さで、どんな熱量で迫ってくるか。


「左上、羽根の先から……螺旋状の蒼炎、7発」


まるで予言をなぞるように動いた。蒼炎が地を穿ち、天を裂く。


──だが、そのすべてが俺にに届かない。


「……“避けてる”んじゃない。“もう知ってる”んだよ」


未来視による戦術優位。

【赫輝】灼炎鳥の攻撃は、今や帳の“既知”の中にある。


「次……突撃だな」


羽音が強まり、赫輝灼炎鳥が急降下する。


《視界》が再び展開される。

未来に焼き付いた、【赫輝】灼炎鳥の襲来と、その直後に現れる“わずかな開き”。


「そこだ……!」


蒼炎を飛び越えるように跳躍し、空中で身を回転させる。


そして、【赫輝】灼炎鳥が振り下ろす右の爪と翼――

その間に生まれる、0.6秒の“死角”。


「──《光輝神波撃》!!」


帳の剣が、【赫輝】灼炎鳥の右翼を斬り裂いた。

蒼炎が噴き出し、空間に断末魔が響き渡る。


「ギィィアアアアアアアッ!!」


だが、終わらない。

【赫輝】灼炎鳥はなおも咆哮し、炎の環を構築する。


空に、光輪のような蒼炎が複数形成されていく。

そのすべてから、灼熱の雷のような光線が、帳を狙って降り注ぐ。


「今度は広域収束砲……っ!」


無数の砲撃。

視界には、逃げ場のない死が焼き付けられている。


──視界再展開:4.8秒先

──選択肢:回避成功率 3%、遮断成功率 0%、干渉成功率 22%


「……干渉、か」


帳は一歩踏み込む。


そして、赫輝灼炎鳥と同じタイミングで、右掌を広げた。


「《光輝共鳴・干渉展開》──!」


空気が震える。

【赫輝】灼炎鳥の蒼炎と、帳の掌から放たれる黄金光が交錯する。


金と蒼が融合し、蒼炎の光輪が崩壊していく。


「未来は見える。だけどそれを、“変える”のが俺の戦い方だ……!」


爆風が巻き起こり、砕けた炎の中で、一閃を放つ。


「──これで終わりだ!!」


剣が【赫輝】灼炎鳥を穿ち、神炎の渦が天空に散る。


未来に視た勝利。

だがそれは、帳の力で“掴み直した”未来だった。


【赫輝】灼炎鳥が崩れ落ちる。と同時に帳の身も輝きを失い、力なく倒れていく。


ー-----------------------------------


小鳥遊帳  20歳 lv 379 


体力:12200


魔力:16800


筋力:5100


敏捷:5800


知力:420


運 :3500


スキル一覧


古代語 LvMAX、剣術 Lv10、身体強化 Lv8、エルドラドの瞳【封】、


光輝共鳴オウリス・リンク


称号一覧


黄金龍王エルドラドの民【真】、黄金郷の踏破者、記憶を紡ぎシ者【封】、【赫輝】屠りし者


ー------------------------------------





「はっ!?」


喉が裂けそうなほど、思い切り声が出た。


「灼炎鳥は……ッ!!」


帳は弾かれるように立ち上がり、荒れ果てた火山地帯を見渡す。


蒸気がまだ残り、地面はところどころ赤熱している。


けれど、その姿は――


「……いねぇ……?」


【赫輝】灼炎鳥。


あの神炎を纏った災厄の化身。

一撃で岩盤を斬り裂き、蒼炎で天地を呑んだその巨体は、どこにもなかった。

周囲には、ほんのわずかな羽根の残骸。

焦げた黒灰と、黄金色の蒼粒子が混じった風だけが漂っている。

けれど、完全に消えたわけではなかった。

目の前の地面に、ぽっかりと開いた巨大な爪痕が残っている。

火山岩を削り取り、魔力を焼き尽くし、何より“存在”の痕跡を深く刻むそれは……


「確かに……俺が、倒したんだよな……」


そこに転がっていたのは、灼炎鳥のドロップアイテム。


ー------------------------------------


赫焔の冠羽、赫輝なる蒼核、赫輝の火種、黄金に染まりし赫輝羽


ー------------------------------------


「うおぉぉぉぉぉぉ!!!!倒した!倒したぞ!!」


完全な格上。それも【赫輝】と言う称号付きのモンスターを!!


「凄いレアそうなアイテム達だな…」

【赫輝】はモンスター側につく称号みたいなものですね。ユニークモンスターはこの”火山”や【赫輝】のように称号を持ったモンスターの事です。ネームドモンスターは名前のあるモンスター例えばエルドラドなどですね。

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