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”火山”

「これが”火山”…すげぇデカいな」


聞いた話によると階層は全部で50階層。ボスは”火山”グランドトータス。火属性のバカでかい亀らしい。世界で初めて討伐されたユニークモンスター…。


「”火山”への入場を希望ですか?入場料は30万円になります」


金いるのか。まあ、確かに”火山”は鉱物資源が豊富と聞く。入場料を取っても充分元は取れるんだろう。


「あ、はい。ギルドカードで払います」


ギルドカードは自身の口座から引き落とされる為、基本的にはこのカードで払う。


「注意事項ですが、ダンジョン内は熱気で水分が急速に減っていきます。水分の確保はしっかりと」


そうか…水分の問題もあるよな。


「分かりました」


光輝なる袋に十分入っているので大丈夫だろう。最悪光輝なる果実で果実水を作るのも悪くない。



「アッツ!」


内部の熱気は凄まじかった。確かに…これは”火山”だわ…。


「グギッ!」


早速モンスターか!やっぱ高難易度ダンジョンはエンカウント率も高いな。


ー------------------------------------


フレイムボーン lv73 ”火山”に生息する燃える骨。かつてこの地で朽ち果てた動物に炎の意             思が宿ったとされる。


ー------------------------------------


やっぱ光り輝く奴らよりはレベルは高くない。だが、油断はするな。俺の知らないモンスターだ。


「先手必勝!」


剣に水属性を纏いフレイムボーンに向かう。


「早いな…!元はウサギだったのか!」


レベル以上の速さだ。だが…こっちも身体強化がある。


「うらぁっ!」


バキッ!あ...クリティカルだ。


可哀そうに…クリティカル攻撃により爆散していった。早いが、やはり知能がない。少し先読みすれば難なく捕える事が出来た。


ー------------------------------------


燃え盛る骨・・・フレイムボーンが落とす骨。レア度3


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レア度があまり高く無いなぁ…。駄目だ、あいつ等のせいで感覚が麻痺している。”火山”のモンスターを倒せた事をまずは喜ぼう。


「にしても一階層でこのレベルか…最後の方を考えると怖い」


ま、それでも黄金郷よりはマシだろう。


それより先に進もう。火山の結晶が採掘できるのは40階層以降だ。



「シッ!」


パリン。目の前のモンスターが光の粒子になる。


「4階層まで来たが…フレイムボーンばかりだな」


ただ、フレイムボーンは死んだ動物によって姿が異なる為全く同じフレイムボーンと当たる事は無かった。


ただ、耐久が高くないのが良いな。ま、クリティカル率が異常に高いからあんま関係ないけど。


「うん?あれは…見たことない奴だ」


ー------------------------------------


ファイヤーフォックス lv85 火山地帯に生息する狐型モンスター。炎を操るのが得意。


ー------------------------------------


魔術系か!


「コン」


一鳴き。その一鳴きで俺の目の前に炎の柱が形成された・


「マジか!遠距離の奴と戦うのは久しぶりだぞ!?」


安易に近づけないな。レベル差があるとは言えあの炎の渦に呑まれると痛いだろ。


体力暴力で死ぬことは無いと思うけどよ。


「コン」


「飛ばす事も出来るのね!」


炎の球が俺めがけて飛んでくる。だが、距離が離れているのもあって反応することは出来る。


「ちっ!近づけねぇな」


こっちのも遠距離攻撃があれば…うん?そういえば属性を纏わせたまま衝撃波を出せば…何とかなるか?


剣術には波撃と呼ばれる剣の衝撃はを飛ばす技がある。完全に忘れてたけど、剣術のスキルレベルが9になった俺ならば出来るのではないだろうか。


「うおぉぉぉ!!波撃!」


別に技名を叫ぶ必要は無いが…こういう初めって大事だろ?


「コン!?」


無事に衝撃波を飛ばすことが出来た。それに…思った通り、流れた属性の衝撃波が飛ばせるな...。


これならば遠距離相手にも何とかなりそうだ!


「もういっちょ!波撃!」


バシュ!


あ、衝撃波にもクリティカルの判定があるんだ。なかなか重要になりそうな攻撃手段だ。


「お...これレアドロじゃないか?」


ファイヤーフォックスの居た所に落ちていた物。


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火狐の羽衣・・・熱さに強い火狐の皮から出来た衣。火耐性を得る。レア度4


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レアドロかどうかあんまし判断しにくいが…有用そうなアイテムがドロップした。


なんなら打ち直して新しい装備にするのも悪く無いだろう。


それにしても…魔力の減りが思ったより早いな…。


10000以上あった魔力も既に1000以上消費している。


魔力を纏わせるのはそこまでだが、それで波撃を行うとごっそりと魔力を持っていかれるな。


「5階層か…聞く話によると5階層ずつ敵の強さが上がっていくらしいから気を引き締めよう」


魔力が回復する手段は急速か、魔力回復ポーションが必要だ。魔力回復ポーションは結構値段がするので使うのはちょっと控えたい。一応魔力ポーションも攻略に困らなそうな位には購入したが…。


「よし、行くか。」


5階層はさらに熱気が籠っていた。と言うより所どころ燃えていた。


「5階層でこれって…下の方はもう火の海だろ」


本当に大丈夫なのか?と心配になるが、今さら後に引くのは嫌だと言う思いがある。


暑いなんてもんじゃない…もうこれは熱いだろ。幾分かファイヤーフォックスのドロップした衣のおかげで軽減できてはいるが…それでも暑いものは暑い。


「ここからは鉱石も出来れば採っておきたい」


ここで採れる鉱物は装備を作る際に重宝される。このダンジョンに来る価値の大半をここから産出される鉱物が占めていると言っても過言ではない。


鉱物はダンジョンの壁を掘ってると採れるが、モンスターを倒してドロップさせる事も可能だ。


この5階層からは基本ドロップは鉱石系が多い。


「早速お出ましだな」


現れたのは皮がキラキラしているトカゲ。


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ジュエルリザード lv88 主食が鉱石の爬虫類。食べた鉱物により見た目も変化する。


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だそうだ。


そんなジュエルリザードはこちらの様子を伺っている。多分温厚な種族なのか…向こうから襲ってくる気配はない。


「すまねぇが倒させてもらうぜ!」


属性を纏わせずに斬りつける。


ガキッ!


「硬い…クリティカル必須系か!」


その表皮は途轍もなく硬く、レベル差のある俺の攻撃ですら弾かれた。普通のシーカーはどうやってコイツを倒しているのだろう。クリティカルなんて俺以外あてにならないだろうし。


「ならばクリティカルが出るまで攻撃し続けるのみ」


光輝スライムだってそうだった。ただあの時と違うのは俺のレベルの方が高いって事だ。


「温厚と言うより硬さに自信があるから攻撃しないのか」


と言うより…一つ気になった事がある。


エルドラドの瞳をモンスターに使ったらどうなるんだ?思い立ったが吉日、さっそく試してみよう。


眼に集中し魔力を流す。魔力の消費量が多いが、いずれは試さなければいけない事だ。今のうちにしておいた方が良いだろう。


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ジュエルリザード・・・ルメシア鉱を食べて育ったリザード。弱点は火属性。


ドロップアイテム候補・ルメシア鉱、ルメシアの涙


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ドロップアイテムを教えてくれるのか!?なんてことだ…これは滅茶苦茶有用じゃないか…。


消費魔力が多いのが難点だが…新しく出会ったモンスター全てに使いたい力だ。


レアドロップが知れるのは男心が擽られる。


多分このジュエルリザードの場合ルメシアの涙の方がレアドロップって事なんだろう。


そんな気がする。


「てか弱点教えてくれるのもヤバいな…」


ダンジョン攻略において、あまりに役立ちすぎるスキルである。消費魔力が多いのが難点だが(n回目)


「ならば剣の属性を火属性に変えるだけだ!」


火の魔力を纏った剣をジュエルリザードに近づける。


すると…。


「ギョッ」


なんて可愛らしい声で粒子となっていった。


とんでもなく火属性に弱いらしい。なんでこんな所で生活できるんだ…生きて行けるのか?


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ルメシア鉱・・・特殊な魔力で熱を奪う鉱石。ジュエルリザードの主な主食である。レア度4


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レアドロップでは無かったか…。まあいい、10階層に着くまでに何度も戦う事になるだろう。


気長にドロップするまで狩れば良い。


新たなる素材たちを考えるとわくわくで居てもたっても居られない。待ってろよ、新しい素材たち!

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