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初心者ダンジョン

男たるものお宝!レアドロ!素材集めて装備を作る!!が好きだよなぁ!!

人には何か生きがいがある。例えばゲーム、読書、釣り、あるいは労働が生きがいの人もいるだろう。


だが、俺の生きがいは結構変わってると思う。なんてったって…”隠しフロア”を見つけることが俺の生きがいだからだ。


世界に突如としてダンジョンが現れたのは記憶に新しい。ダンジョンには様々なモンスターが現れた。スライム、ゴブリン、コボルト…本当に様々だ。


初めは危険なだけだと言われていたが…ダンジョンで手に入るもの…たとえはモンスターからドロップするアイテム。宝箱から入手できる財宝。それこそダンジョンに生えている苔もそうだ。


それらが高値で取引されるようになってから世界は変わり始めた。ダンジョンの探索を生業とするシーカー。危険がつきものだが、ひとたび成功すれば莫大な財産を得られる。それに…モンスターを倒すことで経験値を得ることが出来る。それにより人類はさらなる高みを目指すことが出来た。


だが…それは一つの時代の終焉。武力が正義と見なされる時代に入った事を意味した。高レベルシーカーに逆らえば命すら危ない。戦争すらシーカーのレベルの有無で変わる、そんな時代だ。


それから世界各国に現れたダンジョンは急速に攻略されていく事となった。日本も例外じゃなった。日本でもシーカーが沢山現れ、シーカー育成学校なんてものも出来た。


勿論シーカーなんて職業は不安定、危険そんな要素を多分に含んだ職だ。死人も他の職業に比べ非常に多い。死と隣り合わせだ。


少し話を戻すが、俺の生きがいが”隠しフロア”を見つけることだって言ったな。”隠しフロア”って言うのは、ダンジョンである”普通では到達”できないフロアの事だ。


隠しフロアにはそのダンジョンとは似ても似つかない強力なモンスターやアイテムがあることが多い。ハイリスクハイリターンのフロアだ。”シーカーランキング”上位の奴らはこの隠しフロアをクリアしたものが多い。勿論その限りでは無いんだが。


強いモンスターを倒せばその分経験値も多い、ドロップアイテムも強力だ。”ステータスの上昇値”も幾分か補正されるとも聞く。


そんな夢みたいなフロアが全ダンジョンにあるかも知れないなんて、夢がありすぎるだろ?


因みに俺はまだ隠しフロアを見つけたことは無いぜ!!!


「おはようございます。本日も黄金ダンジョンに向かわれるんですか?」


シーカーギルドの受付嬢がにっこりと微笑む。可愛いなぁ!


「はい。あとちょっとで何か見えそうな気がするんですよ」


今は黄金ダンジョンと呼ばれる初心者向けのダンジョンの隠しフロアを探している。


黄金ダンジョンは日本で最初に現れたダンジョンで、出てくるモンスターが弱く、ボスすらも弱い。それに宝箱すらない…そんな旨味が一切ないダンジョンだ。だが、シーカーを目指す初心者達には神のようなダンジョンで、安全に戦闘の経験を得られるダンジョンとして初心者に凄く人気のダンジョンだ。


「頑張ってくださいね!私は帳さんの専用受付嬢ですから!」


そう、ギルドには受付嬢とシーカーが互いに契約を結ぶ、そんな仕組みが取られていた。シーカーが稼ぐようになれば受付嬢もその分給金が増える。そんな仕組みだ。


「任せてください唯利さん!!」


俺の専用受付嬢の名前は唯利さんだ。良い所のお嬢様らしいが…ダンジョンへの憧れからか、受付嬢になったらしい。年齢は俺と同じ二十歳だ。


「行ってらっしゃいませ!帳さん!」


因みに帳は俺の名前な。むふふ…こんな美人に下の名前を呼ばれるなんて役得だぁ!!



ダンジョンに必要なモノは武器、”ポーション”(回復できるならば必要ない)それに数日分の食料もあればいい。


ポーションは回復魔法が使えるシーカーならば必要ないが…万が一”魔力”が切れた場合に必要となる。魔力は人によって様々だが、基本的にレベルが上がった分魔力も増える。


要するにモンスターを倒せば倒すだけ魔力も増えるって事だ。レベルのあげ方は基本的にモンスターを倒す事だけだ。一部例外としてダンジョンの試練をクリアすることでボーナス経験値が貰える事もあるが、あまりに特殊な為、実質モンスターを倒す事だけと言っても過言ではない。


「黄金ダンジョン…名前だけ見れば高位のダンジョンなんだけどなぁ」


ダンジョンにも位があり、高位のダンジョン程出てくるモンスターの強さ、アイテムのレア度も変わる。確認されてる中だったらアメリカに現れた”大罪の悪魔”の名を冠するダンジョン。


通称グリードが有名だ。攻略がまだされていないので難易度はまだまだ上がるみたいだけど。


「ステータスが可視化されてるのは良いな。成長が目に見えるってのはありがたい物だ」


現在の俺のステータスはこうだ。


ー----------------------------------


小鳥遊帳 人間 20歳 lv3


体力:120 体力が0になると死に至る


魔力:30 魔法やスキルを行使する際に必要な力


筋力:30 筋力の値が高いほど力が上昇する


敏捷:25 敏捷の値が高いほど素早く動ける


知力:50 知力はレベルアップによって上昇しない、本人の知性に関するステータス


運 :50 運はレベルアップによって上昇しない。様々な恩恵があるステータス


スキル一覧


鑑定lv3、古代語lv3、剣術lv2


称号一覧


無し


ー----------------------------------


こんなものだな。称号に関しては所得条件が分かっていない物も多い。それこそラビットキラーなんて称号はキラーラビット三十体倒すだけの簡単なモノらしいが…。


「始めるか…って言っても取り敢えずボスまで行かないとだな」


黄金ダンジョンのボスは三体からランダムに選出される。


光り輝くトード、光り輝くゴーレム、光り輝くトレントの三体からランダムでボス戦が始まる。


ま、初心者向けって事で強さはお察し、ドロップアイテムもブロンズソードと”レアドロップ”の謎多いアイテムだけ。


「なんでこんな光り輝いているのに普通のスライムと経験値もアイテムも変わんねぇんだよ」


道中に出てくるモンスターも光輝いているのがこのダンジョンの唯一の特徴だ。別に見た目が違うだけで種族名も経験値も普通のスライムとかと同じだけどな。


「っし!…流石にスライムはもう一撃か」


どれだけ光り輝いていようがスライムはスライムだ。初めは苦戦と言うか、剣で斬る事が出来なかったが、筋力が上がったおかげで今では一撃で斬る事が出来る様だ。


「マジでこのダンジョン全てが光り輝いてんだよな…」


壁に生える苔でさえ光り輝いている。ダンジョンから持ち出した瞬間その輝きは失われるけどな。


「ぐぎゃっ!!ぐぎ」


ゴブリンか。例のごとく光り輝いている。


大きさは子供よりまた一回り小さいくらいだ。大人であれば負けることは無いだろう。


剣で一閃。ゴブリンの頭が胴と別れを告げた。


「ドロップアイテムも…普通だな」


このモンスターの弱さもさることながら、出現数が少ないこと。それがこのダンジョンが人気の理由の一つだな。


エンカウントがゴブリンとスライムだけのままボス部屋まで来てしまった。


「ポーションよし、武器も破損が無いな」


それだけ確認してボス部屋に入る。


子のボス部屋も見慣れたものだ。ここ数か月はずっとここのボスと戦っていたからな。


「今回のボスは…トレントか、当たりだな」


光り輝くトレント。こいつは他のゴーレムとトードに比べ出現率が低い気がする。完全に俺の体感でしかないけどな。


「これで三回目か!行くぜ!」


光り輝くトレントに向かい走り出す。トレントは動きが鈍く、早い動きが苦手…このダンジョンに籠ってから知った事だ。


トレントは基本的に自身が操る蔓を使って攻撃する。だが、エイムはあまり良くない。


「ちっ…流石に一撃は無理か」


俺の動きについて来れないトレントに剣で一閃。しかし、光り輝いている幹がに少し傷が付くくらいだ。


「うおっ、油断は禁物だな」


トレントの蔦が俺の顔を掠める。当たったら割と洒落にならん位には痛い。


「でも知ってんぜ?お前の弱点。その蠢いてる根っこだよな!!」


トレントの根は動くための唯一の動力だ。ここさえ切り落としてしまえば後は時間をかけて倒すだけ。


「しっ!やっぱ根っこは柔らけぇな!」


胴体部分の幹に比べ剣で薙ぐと直ぐに切断できた。これでトレントはもう動けない。後は嬲り殺すだけだ。


「珍しい奴だし…色々試しながら殺すか」


取り敢えず生えてる枝を全部切り落とそう。もしかしたらレアドロップの条件かも知れない。


「あっ…思ったより早く死んじまったな」


枝を全部切り落とした段階で光り輝くトレントは光の粒子となった。


ー----------------------------------


小鳥遊帳 人間 20歳 lv4 up!


体力:120 -125 up!


魔力:30-40 up!


筋力:30-35 up!


敏捷:25-30 up!


知力:50 


運 :50


スキル一覧


鑑定lv3、古代語lv3、剣術lv2


称号一覧


黄金の鍵を手に入れし者-NEW!


ー----------------------------------


黄金の鍵を手に入れし者?初めて聞いたな…それに、そんなものどこにも無いが…。


周辺を見渡す。光り輝くトレントが居た所にはトレントのレアドロである光り輝く枝があった。


しかし、鍵らしきものは見当たらない。


「この枝が鍵って事か?…てかなんの鍵だよ」


鍵を手に入れたのは良いが…そのカギをどこで使うのか分からない。とりあえず称号の詳細を見てみるか…。


””黄金の鍵を手に入れし者・・・黄金への道を切り開きし者に与えられる称号。この称号は彼の王黄金龍への挑戦の資格である”” 運に補正がかかる。


う~ん…解らんな。それに…黄金龍なんて初めて聞いたぞ。勿論ダンジョンにはユニークモンスターやネームドモンスターが居るのは聞いている。その類のモンスターか?


例えば”火山グランドトータス”なんかは有名だ。多分世界で初めて討伐されたネームドボスだからな。その討伐報酬は凄まじかったらしい…。炎を纏った宝剣、熱に耐性を持つマント…その他宝具級の品々。


アイテム一覧


ー-----------------------------------


ブロンズソード


回復ポーション(低級)


携帯食料


ドロップアイテム(消耗品)


黄金のガマ油、黄金の鉱石、黄金の枝


ー----------------------------------


やはり鍵なんて持っていない。どういう事だ…。


黄金のガマ油は光り輝くトードのレアドロ、鉱石はゴーレムのレアドロだな。


やはりこのダンジョンのボスのレアドロが関係しているのだろうか?取り敢えず…ボス部屋の探索をもう一度行おう。何か変わった事があるかも知れない。


「なんも変わって無いなぁ…」


取り敢えずボス部屋を探索しても特に初めから変化はなかった。


ってなると…ボス部屋では無いか。


そう言えば…ボス部屋の近くに石碑があったような…なかったような。とりあえず部屋から出るか。


「確か…この変に石碑があった気がするが…」


ボス部屋から出てすぐの所、確かこの辺に古代文字で書かれた石碑があった気がするんだが…。


「…あ、あったあった」


誰もこんな所に来ないのか、薄汚れて文字が読めない状態だが、石碑自体はあった。


「前来た時は確か…黄金についての魅力がつらつらと書かれてた気がするんだよなぁ…」


読む価値がないと感じて直ぐに帰ったが…。もしかしたらヒントが書かれているかも知れない。


「えーっと…」


汝、黄金に惹かれること無かれ。黄金、富の象徴、力の象徴。だが、衰退の象徴でもある…か。


黄金の象徴たるはその御身、エルドラド。…こんな事書かれていなかった気がする。


”彼の王は幽閉され、世界は黄金が失われた。汝、黄金の王への謁見、その資格を持つか。持たぬ者彼の王の怒りを買うと思え”


「なんだこれ?前と内容が変わっている…。どういう事だ?俺の得た称号と関係あるのか?」


それにエルドラド…モンスターの名前だろうか。だとすれば…新たなネームドモンスターの可能性がある。とりあえず一旦帰って調べてみよう。これは…面白くなってきたな。

初めまして!今回は新しくハクスラ系の物語を書きたいと思い投稿しました!出来ればブックマークや感想を貰えると嬉しいです!作者の妄想の限界まで突き進もうと思います!

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