Season.Two 軌道班操作編 Story.8 未知の世界へ悪戦苦闘
押忍身新治のオフショットです。後日談として、書き手は詩野忍、話し手は大鷲見美歩、が担当します。
よろしかったら最後までお付き合い下さりますようよろしくお願いいたします。
新くんは、道路車上班から鉄路軌道班へ異動です。
鉄道といえば、現在は大勢の女性の乗務員の方々が日々活躍され、私、美歩から見ても憧れます。ATC、ATS、CTCで見守られているといえど、責任重大ですよね。お疲れ様です。お気を付けて行ってらっしゃいませ。で、
新くん、今回は営業時間帯ではなく営業終了後から活躍する部署です。安定確実輸送を影で支え、その中でも主にレールと道床の保守点検を受け持つ部署とのこと。営業時間帯の日もあれば、営業終了後の深夜になることも。内容によっては所要時間がタイトなため胃がいたくなる?
レールは鋼鐵で、60Nという1mで60kgの超重量。曲がったり歪んだりしないでしょう?
私も新くんもいままでメンテナンスフリーだと思っていました。
ところが、軌道計測専用特別編成Z9、『黄色いお医者さん』から送られる情報を、美歩も拝見しましたが、まるで棒状の飴のようでした。
項目はレールの、左右高低、左右通り、平面性、水準、軌間です。規定数値未満があれば一定期間内に基準値に作業組が戻す。
鉄道にも立体交差になっている箇所があるのですが、上部橋の部分は頑丈に施工されて揺れないと想像していたのが、下を向きレールを見ていると気持が悪くなるほどの揺れで、その影響でレールに相当のストレスがかかるらしい。
他にも異音感知、動揺感知の報告による緊急補修工事を作業組が実施。
駅構内における、夏冬を迎える前にレールの普通継ぎ目に大がかりな遊間整正が必要なんだって。夏は大量の氷を使用しレールを冷やし縮め、アンカーで固定し、暑さでのびたとしても、継ぎ目間は密着せず、規定値内に収める。冬は大型バーナーでレールを暖めのばし、継ぎ目間は縮んだとしても開きすぎず規定内に。何度もトング部と合わせて調整しながらのようですが、すごいなあ。
他には、冬に、駅構内分岐器には、カンテラを灯し凍り付かないように。や、列車にこびりついた雪が下に落ちた際、周囲に飛び散らないようにクッションマットを地域限定でしいたり。
たえず目をかけなければならないなんて!大変な作業なんですね!新くん。
その際に必要な工事器材資材を指定現場へメンテナンスカーにて運搬するのですが、道路を走る車に各自動車運転免許証が必要と同様、軌道にメンテナンスカーを走行するためにも座学、実地訓練を受け免許証を取得することが必要で、また、1機種F社機材の承認を受ける事が新くんの目的です。
座学終了後、実車による単機で実地訓練開始です。
正面を向いて、ではなく横を向きながらの操作に、
座席に座ってより、立ったまま操作したほうが楽!
走行モードは問題ないらしいのですが、停止モードがかなり難関らしいです。
数回同じようなタイミングに、同じような操作方法で手ブレーキをかけたつもりのに、急ブレーキになったり、かかりがゆるく停止線を通り過ぎたり。何がなんだか理由がわからずしばらく悪戦苦闘!したって。
聞いている美歩でも、……?です。
どうにか新くん基本メンテナンスカーの免許証取得、1機種F社機材認証。お疲れ様でした。
監督官立会社内営業線100km走行に合格すれば、当該営業線に乗り入れ、出場ができるとの事。
世にはいくつもの資格を取得するために難関な学科試験を突破し実地試験も耐え抜き、それまでの努力の積み重ねがあるからこそ、格好良く、凛々しく見えるのかなあ。みんな!がんばって!
いかがでした?よろしかったら御意見、御感想を、将来の糧として、書き手の詩野忍、話し手の大鷲見美歩、心よりお待ち申し上げます。本日はお寄り下さいましてありがとうございました。