Season.One 車上班添乗編 Story.7 にぎりしめた印鑑
押忍身新治のオフショットです。後日談として、書き手は詩野忍、話し手は大鷲見美歩、が担当します。
よろしかったら最後までお付き合い下さりますようよろしくお願いいたします。
幼少の頃、若かりし頃の思い出の中に、
あんな事あったね!と微笑んだり、
そのお話しはしないで!と顔が真っ赤になったり。
綾音とりゅうくんでも、
学生時代、三河湾の海岸通りでスローバラードを歌ってくれた、
あの時だからこそ何も言わず聴けたのでしょう。
フラッシュ・モブじゃなければ
今もし歌いだしたらりゅうくんの口もとに私が手をあて
「No ! No ! 」
制止したかもなあ。
新くん自身も、もし私が無茶振りして、
「今ここであの時の曲を私のために歌ってみて!」
「えーー!ここで?」
かな?それとも、
「任せとけ!いっくよー」
昔のままかなあ。
たぶん。還暦すぎてもきもはすわって度胸はありそうだから、
かえって話題に出さないほうがいいかもです。
歌いかねない。
でも、もう一回聞いてみたいなあ。
ひょっとして私も一緒に歌い出すかも。あの頃のように。
りゅうくんから業務中での淡い思い出の一つを、聞きました。
ある保育園に通う女の子が、
りゅうくんを大大好き!
偶然にもその園に、
こども安全教室が開催され
りゅうくんも同行することに。
すると女の子。
りゅうくんを見つけるなり、
「隆也君だー!わあーい」
走って駆け寄ってきゅーっと。
新くんの腰のあたりに。
園からご自宅にお母様と自転車でお帰りの際、
新くんとすれ違うものなら、
両手でめいっぱいに、
ばいばい!
ってふってくれて。
ご自宅にもお届け物があり、
「隆也君、私の家にもきてくれたあー」
大喜びです。
ある日女の子のお家に、一度不在票を投函後、
ご連絡を頂いて再訪問の限定時間のお約束をすることに。
しかし、新くん。
離任前のご挨拶に時間が今回も押しまくり、
女の子のご両親にお電話にて
お約束の時間よりかなり遅れる旨の一報を。
その際、ご両親からのお願いをうけたまわり。
ようやく女の子の自宅に到着です。
時刻は22時を過ぎています。
インターホンを押す、のではなく、
ドアを小さく軽めにノックは、二回に抑えて優しく、
ドア前での声の発生もひそひそ話するような感じで!
がご両親の要望でした。
ご両親がドアをそっとお開けに、
お部屋の中まで招き入れてくださり、
その先はこども部屋です。
そーとご両親が襖を引き
「魚住さん、見て!」
すやすやと
ねむりについた可愛い寝顔の女の子が。
「隆也君が来るまで起きてるから」
と先程までがんばっていたけど、
待ちくたびれたみたい。
お母様から。
右手には
「私が判をおすの!」
夢の中でむにゃむにゃかな?
印鑑をにぎりしめたままで。
素敵な夢を見てね!おやすみなさい!
If I could see you in my dreams.
いかがでした?よろしかったら御意見、御感想を、将来の糧として、書き手の詩野忍、話し手の大鷲見美歩、心よりお待ち申し上げます。本日はお寄り下さいましてありがとうございました。




