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『TRANSPORTER』 ーBehind the scene shotー Recounting【The tale of 魚住隆也 FEAT. 大隅綾音 】  作者: 詩野忍


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Season.One 車上班添乗編 Story.2 家族の無念 りゅうくんの無念

押忍身新治のオフショットです。後日談として、書き手は詩野忍、話し手は大鷲見美歩、が担当します。

よろしかったら最後までお付き合い下さりますようよろしくお願いいたします。

今回のsotryは少々重めです。お嫌でなければお目をお通し下さいね。

 前回のりゅうくんは限定した地域の集配活動の添乗でしたが、今回は主管支店から半径約400km圏内の営業所に向かう往路路線運行業務の添乗です。

 簡単に言えば、深夜の高速道路が大型トラックで埋め尽くす光景を思い浮かべて!でも綾音は夢の中。がんばっている皆様ごめんなさい。

 22時定刻出発できるよう、りゅうくんも積み込み応援です。

 今回の店は手積み手おろしが主な作業方法。大変だね。

 でもりゅうくんが重量物を楽々に積み上げていく様を運行乗務員は呆気にとられクチポカ。

 Yシャツ野郎がここまでする?

 この日からりゅうくんへの運行乗務員の見方が変わったらしい。やったね!

 さあ、3日運行の出発です。りゅうくんは高速道路のゲートをくぐるまでの一般道は集配の時同様声だし指差喚呼の実施は忘れずに。

 安定した走行になってからりゅうくんから運行乗務員へ質問責め。この人の悪い癖なの。許してあげて下さい。

 眠くなる時ある?そんな時はどうしてる?

 あなたが思う危険箇所、注意する場所を教えて!

 家族の事は心配?

 この仕事に賛成してもらってる?

 などなど。

 逆に運行乗務員からりゅうくんへ、

 ここのサービスエリアの何某が美味しいから一度寄ってみたら情報や、

 ある運行乗務員は新くんが手伝ってくれたお陰で業務が予定より早く終わったからと、その地方の深夜営業のおすすめラーメン店に大型トラックで横付したり。

 ラーメンをすすりながら運行乗務員は、集配乗務員よりましかなあと。

 理由は集配の連中は子供が寝ている頃に家を出、子供が寝ている頃に家へ帰る。

 わしらは、子供が起きた頃に帰り、学校から子供が帰ったら仕事に行くからなあ。

 どちらも大変です。

 こういった方々のお陰で経済が成り立っているのですね。

 ありがとうございます。

 綾音より感謝気持ちを込めて。

 早朝5時ごろ復路発地店到着、運行乗務員は仮眠の時間。

 りゅうくんは最寄り新幹線駅にタクシーで移動、とんぼ返りです。

 お疲れ様ですね。りゅうくん。がんばれ!

 その夜、運行の積み付けにりゅうくんが向かうと運行乗務員から

「あんたは、ペンだけ持って俺達を守ってくれ!貨物は俺達に任せとけばいい」

 とさわらせてくれなかったって。

 その代わり主管支店の門の前に立哨、行ってらっしゃい。お気をつけて。声掛けお見送りを全車にしたそう。

 りゅうくん、お見送りが終わったらお借りしているデスクに戻り、

 本業の勉強のかたわら翌朝全車無事帰庫を見届けるまで待機する。

 なにも起こらなければいいのですが、起こります。

 高速隊から、貴社所属車両で幌とあおりの隙間から落ちた貨物を引き取りにきてほしい、

 という連絡が。

 その時刻午前3時。ちょうど付近に自店車両が走行、運行乗務員に菓子折りを持って謝罪がてら引き取りのお願い。

 ここまでならりゅうくん、対応可ですが、

 当然対応しきれない案件は所属長が指揮を執られます。

 なかには救援要請もあり緊迫した日も。

 その中でりゅうくんにとってつらい出来事が短い期間で連続3件経験したのでした。

 お聞きした私でも嗚咽を……。


 高速道路の追い越し車線走行中の自社が、相手車は対向車線からグリーンベルトを乗り越えての正面からのアクシデント発生。


 高速道路登り坂、僚車が後続に付き走行中、仲間の前車が動きがおかしい?無線で

「起きろ!」

 呼び掛け、携帯を鳴らす、かいもなく。

 発生場所がりゅうくんの主管内ということもあり最寄り営業所に車が帰ってきました。りゅうくんはすぐに駆けつけ花束を。悔し泣きでした。


 支店内の親睦会があり、りゅうくんに参加しない?と声を掛け誘ってくれた集配乗務員が次の日、配達途上の生活道路、信号のない交差点で。


 御三方のお顔を見ることやお話しすることはもうままならず。

 特にお父様の落胆されたお姿が目に焼き付いた……って……。


 地元では働き場が無く街に出れば、と御子息の意見に反対することもできず後ろ髪をひかれる思いで見送った……。

 家族を持ったばかりでこれからなのに。心配はしていたが、まさか。

 娘の婿養子として迎え入れ、なかなかコウノトリさんが来てくれず、それを気に悩んでいたようで、気にしないで!と家族で最近言ったばかりなのに。

 ……のお父様の言葉にも……。


 りゅうくんは、小さな異変に気が付き、

 そばにいたなら背中をポン!とたたき、缶コーヒーでも一本飲んで落ち着きなよ。

 で、何かあったのか?話してみ!って言えたかもしれない。って。

 ほんと。その一言に救われることがありますものね。

 私はりゅうくんにどれだけ助けられたことか!


 がんばれ! 負けるな!

いかがでした?story,少々重かったのでは。よろしかったら御意見、御感想を、将来の糧として、書き手の詩野忍、話し手の大鷲見美歩、心よりお待ち申し上げます。次回からはいつものに?でも、本日はお寄り下さいましてありがとうございました。

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