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season.three 地上班concierge編 story.11 新くんと出向先のとあるお2人の社員のお話し

押忍身新治のオフショットです。後日談として、書き手は詩野忍、話し手は大鷲見美歩、が担当します。

よろしかったら最後までお付き合い下さりますようよろしくお願いいたします。

 新くん、あの時は同行させてくれてありがとう。大変勉強になり有意義な充実した日々でした。

 それで、現在はお互いに結婚したから聞くけど、

 新くん、あのね。

 その時、気のせいだと思うけど、美歩への視線が鋭く突き刺さって痛かったような。特にある女性の社員様からの。美歩は新くんの同僚に気に障ることした?あの時はお互いに独身だし、ひょっとして私達の間柄を同僚の皆様にあの時まだ話していなかったの?

 新くん、怒らず聞いて!

 私、話の内容によるけど!ひょっとして新くんあの時あの女性の社員様と……これって……!

 新くん、部下とは絶対になかったから。信じて。お願い!

 さあ新くん、正直に話してもらいましょう。


 江戸川へ異動になり、初めて関東での生活。新くんには、お水、食べ物はまったくくちに合わず、美歩が思うに、ドラマのサツキ酒やおひとりのグルメみたいに、楽しめばよかったのに。もったいない!カップ麺やコンビニのお弁当の毎日。それに見かねた部下の川路恵子君と中村尚美君が上司の新くんに、喝!を。言い出しは川路君、中村君は初めは付き人で、手始めに新くんの部屋の模様替えからある日曜日にはじまりはじまり。

 川路君いわく、

 「奥様がこの有り様をご覧になられたら泣いちゃいますよ」

 言わなくてもいいのに、独身ですって答えるから

 「私、立候補してもいいですか?」

 なんて話ながら、お部屋に必要な日用品、調理器具など色や種類は川路君の目利きで選び、模様は3人であれこれ言いながら、完成です。

 次に、自炊をしなきゃです。川路君、さっそくいくつかのレシピを持参し、新くんの部屋でLet's Cooking Start !です。さながら料理教室の先生と生徒です。

 「お昼は毎日、川路がお弁当作ってきますから安心して下さい」

続いて出た言葉が、

 「未来の旦那さまには元気にいてもらわないと困ります」

 夜ご飯が完成です。お部屋の模様やお料理の写真が残っていないのが残念。

 お食事しながらの会話で、ご実家が川路君が新潟、中村君が大阪、東京に来たくてここに。

 何故、新くんに手を貸そうと?川路君、中村君ともに、新くんがいままでの上司と全然違う!話しやすいし、親身に相談は乗ってくれて、お願いしたらあっという間に解決、行動力も速く信頼のおける方と思い、その上、新くんとおしゃべりしたら、ほっこりして、元気になれて、勇気をもらって、話しかけて良かった!から新くんを私達が助けてあげようよ!Projectに。ですって。

 その後も新くんは川路君、中村君らのサポートに支えられ数ヶ月経過したある日、

 川路君から畏まって封筒を新くんは受け取りました。そこには、


 『退職届』

 

 事情を伺うと、実家の新潟にはご両親が経営するペンションがあり、2年の間なら東京へ行ってもいいよとお約束し、ペンションのお手伝い、将来のことのための帰郷の日が来たのでした。


 お引っ越しの準備が終わり、明日が川路君出発の日、で今夜、新くんから川路君、中村君にいままでありがとう!の感謝の気持ちをこめて、ミラクル ドリーム パークスのナイトビュー+オフィシャルズディナーのフレンチをプレゼント。新くんは同行せず、お2人に楽しんでもらおうと、が、中村君が急遽行けなくなってしまい、新くんが替わりに同伴することに。どうやら中村君が気を回したらしく、でも、本当の意味が別に……。

 パークスを歩きながら川路君から、

 「部長、今宵は私達のためにこんな素敵なサプライズをありがとうございました」

 そして便箋を新くんに手渡し

 「明日私が乗車する新幹線の出発時刻と号車座席番号です。見送り待ってます。必ずですよ!」

 と新くんの手を取りながら、

 「部長、本当は私より尚美の方が部長に熱が入っているの。私がいなくなっても尚美を頼ってあげて下さい。お願い!」


 パークスを2人が後にした直後、新くんに急ぎ名古屋にもどり対処してほしい案件が発生し、今夜最終名古屋行の新幹線に間に合せ、案件対策の準備、対応に追われ、川路君のお見送りには間に合いませんでした。


 案件は無事解決し、新くんは通常業務に東京へ。中村君には謝罪のタイミングをつかもうと、そわそわ。しかし、逆に中村君から、

 「部長にお話しがあります。今日必ずこの後時間を開けておいて下さい。必ずですよ!」


 新くんの部屋で中村君が本当の事情を涙を流しながら話してくれました。

 出発の日、恵子は、部長に重大なお願いをする決意で待っていたんだよ。

 それは、新潟のペンションを恵子と部長と一緒にやっていきたい!部長とならお人柄といいお話しの飽きないことといい、そして人生の伴侶としてこの人以外誰もいない。無理矢理にでも連れて帰るんだ!って。

 だから、なぜ名古屋に帰ったの?

 東京にいて、電話で名古屋の部下に指示をだせたんじゃなかったの?

 2人の将来を何だと思ってたの?気付かなかった?

 恵子がどんな思いで、どんな覚悟でいたか、知りやがれ!

 恵子の携帯番号や新潟の住所など部長の立場上聞けない事ぐらい知っていた。だからこそ、もし、お見送りの時断られても、すべてをお知らせし初めの一歩で諦めず連絡を取り合いがんばってみるとも言っていたのに、一瞬で恵子の夢を諦めさせた。部長は。許せない!

 でも、でもね、尚美が諦めない!この先ずっと、何処にでも行き部長を支え続けると決めた!恵子同様、尚美も部長の人柄に惹かれ憧れ惚れ愛し、ともに歩めたなら、から、ともに手を取り合い歩む、に変わったから。覚悟して。


 新くんが淀川に異動した先で、美歩と中村尚美様が初対面になったのですね。 

 私が知らない間に2人の出逢いがあり、支えあう仲だったのか……。

 ずっとかたわらに寄り添い、いつでも息が触れるところに居てくれる安心感、あたりまえだよ。かなわないよ美歩には。

 新くんが将来をお捨てになった時、だからこそ、すんなり支える!って言えたんだろうなあ。それに何処にでも行く度胸も持ち合わせていたんだよなあ。

 すごいなあ。尚美様は。

 私は待つばかりであまりアクションを起こさず、新くんから何かがきっと来る!がかえって新くんを長い間苦しめたのかな。ごめんね。


いかがでした?よろしかったら御意見、御感想を、将来の糧として、書き手の詩野忍、話し手の大鷲見美歩、心よりお待ち申し上げます。本日はお寄り下さいましてありがとうございました。


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