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『TRANSPORTER』 ーBehind the scene shotー Recounting【The tale of 魚住隆也 FEAT. 大隅綾音 】  作者: 詩野忍


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Season.One 車上班添乗編 Story.1 業務帰りの荷台は頂いた野菜果物でいっぱいに

魚住隆也のオフショットです。後日談として、書き手は詩野忍、話し手は大隅綾音、が担当します。

よろしかったら最後までお付き合い下さりますようよろしくお願いいたします。

 りゅうくんの勤務先は、人の動きを国内外、陸海空で支える事が主体のところ、新くんには貨物輸送を勉強しなさい、ということで。

 国内、国際、陸送、空輸、海路、鉄路とのモーダルシフト, B to B , B to C , C to C ,と幅広く今回は、国内で陸送のD.P.の部署に出向です。簡単に言えば宅配便の主管支店です。

 現場の部署では、大学卒のYシャツネクタイ背広姿の人間の風当たり、朝点呼の挨拶で、

「おまえに何ができる?」

 言葉が出ずともひしひし伝わってきたそうです。

 さあ、2t車の添乗開始。りゅうくんの出立ちは、乗務員と同様、制服制帽安全靴で携帯端末プリンター等フル装備状態。

 運転乗務員には

「業務の審査に来たわけではなく日々の仕事を教えて下さい」

 と。

 同時に、車両を確認一周、ヨシ!の掛け声しながら。車両前後の機器類エンジンルームも呼び掛けチェックを。

 公道に出た途端 

「右よし!左よし!二段階停止よし!歩行者なし!」

 大声を出し指差喚呼をりゅうくんは助手席側でやったそうです。

 危険箇所、見通しの悪い所、特に列車踏切では安全呼称を重点に。

 また、駐車後、発進する前に必ず車両の周囲を何も無いか、一周する。

 運転乗務員はあ然としていたとか。

 配達中は一軒一軒徒歩ではなく全速力で朝から晩までその状態。

 次に行く所の貨物を膝にのせ、直ぐ行けるよう準備、それにも、

 運転乗務員はどうして?だったそうで、

 綾音はりゅうくんのことを知っているので普通だよ。です。

 運転乗務員の指示された個人様に、りゅうくんがお届けに向かい戻って来ると、配達完了票と両手いっぱいの頂いた家庭菜園の野菜が。

 次の所も次の所も。

 メロン栽培農家様や次郎柿栽培農家様からは、キズモノだけど持ってく?ビニール袋にどっさり。

 ある食品加工企業様では、新作の試作品の感想を聞きたいからと大きな箱いっぱいに頂いたり。

 駄菓子屋様では、賞味期限が近いから子どもさんにあげて!未開封の箱ごと手渡され。

 夜の個人様では、奥様と晩酌して!缶のをペアで頂いたり、一升瓶で、もあり、

 荷台は貨物より頂いた品々の方が多い時も。

 当該各乗務員は長期間担当したが今迄一度もなかったので、なぜ?あなたは何者?


 りゅうくんはおもむろに、

「私は最愛の方をある所に残してしまっています」

 そして

「ここで私が失礼な対応をすれば、最愛の方もその場所で失礼な対応を受け、がっかりしてしまうことでしょう。だからこそ、誰にも最愛の方に会いに行くつもりで対応しようと」

 続けて

「さすれば、最愛の方も安心して、を信じて不安無く、安心して扉をあけていただく。そして、企業様は最愛の方のお父様が経営なさっている所のつもりで、他人事ではなく、企業様にあった話題をすぐ出せるよういくつもの引き出しを用意する」

 私なりに気を付けていることって、言ってたっけ。


 安全については、対列車とのアクシデントについて、ある事後の当事者間、社内間書類を、ふせるべき所は見えないようにした紙面をりゅうくんから綾音は拝見した事があります。

 運転乗務員にもりゅうくんは見せたのでしょう。

 アクシデントを皆無にすることは、難しい。

 そこを、数秒数分を注視すれば、少しでも事前に防ぐ事は可能ではないのか?

 りゅうくんは自問自答しながら伝えたとか。

 あのシーンにはもう、誰もがなってほしくない!って。

 そう願う、実は他にもまだ知ること。が。

 願い、思い、持ち方は人それぞれ。

 重い軽い?、

 熱い冷めて?、

 関心無関心?、

 部下、同僚、上司、管理職、当事者を擁護?本人責任?

 りゅうくん、乗り切らなくてはならない試練を、今までも切り抜けたじゃない。

 がんばって!


いかがでした?よろしかったら御意見、御感想を、将来の糧として、書き手の詩野忍、話し手の大隅綾音、心よりお待ち申し上げます。本日はお寄り下さいましてありがとうございました。

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