オーブが写った!!
写真によくわからない白いものが写った! これは浮遊する魂だ! というと、ホコリが写っているだけとか、魂なんていう非科学的なもの存在しないとかいわれます。
この点について常々考えている反論があるのですが、Twitter(現X)だと書ききれないので、こちらで書くことにしました。
オーブとは、空気中の水分やホコリなどの浮遊物がカメラのフラッシュなどの強い光源の反射によって写り込んだものであるというのが通説です。
私も、ほとんどの写真に写っているオーブはホコリなどの浮遊物だと思っていますが、中にはホコリなどではないものもあると考えています。
こういうことを主張すると、廃墟などで動いた後、すなわちホコリを立たせた後、その場所で写真を撮ると大量のオーブが写り込んだという実験を持ち出す人がいます。つまり、オーブはホコリだと主張するわけですね。
ただ、この実験により、オーブ=ホコリとは断じることはできません。ここ重要です。
まず、オーブが写り込んだ写真A、そして写真Aが撮られたのと全く同じ場所で、後日ホコリを立たせた後に撮った写真B(オーブらしきものが写っている写真)が同じものを写していることをこの実験は保証していません。この二つが同じものを写していると主張するのは、例えば、2023年1月1日に撮影した初日の出と、2024年1月1日に撮影した初日の出、両者には全く同一の太陽が写っていると主張するのと同じです。なるほど、確かに両者とも太陽を写しているでしょう。しかし、同一の太陽ではありません。前者は2023年の太陽であり、後者は2024年の太陽であるからです。これと同じく、写真Aに写ったオーブと写真Bのホコリはイコールではありません。両者が共にホコリである可能性は高いですが、違うホコリと考えるのが妥当でしょう。
そして、ここからさらに考えを拡張します。写真Aのオーブは本当にホコリなのでしょうか? 例えば、アルコールと水を考えてみます。大抵、手指消毒用のアルコールは無色透明の液体として売られています。水もまた、無色透明です。見た目はよく似ていますが、性質はまるで違います。だとすると、アルコールと水の関係と同じく、写真Aに写ったオーブと写真Bに写ったホコリは、よく似た別物である可能性が考えられます。すなわち、写真Aのオーブは、ホコリと見た目が似ているホコリではないものと考えることができるわけです。
上記の実験は、どこまでいっても、ホコリが立った場所で写真を撮ると、いわゆるオーブが写ったとされる写真と似た写真が撮れるということを主張しているだけです。全ての写真に写ったオーブがホコリであるという主張を正当化する論拠にはなり得ません。オーブと呼ばれる何か(ホコリやその他の浮遊物ではないもの)が存在する可能性はあります。
次に、非科学的という言葉についてです。幽霊やUFO(UAP)などを否定するときに、ちょいちょい使われます。
ただ、幽霊等非科学的論者にとっては残念なことに、幽霊やUFOは非科学的なものではありません。
こういった実験があります。病院のセットを作ります。集めた人たちをAとBのグループに分け、片方のグループ(A)にはこの病院にいわくがあると吹き込み、片方(B)には何もいいません。そして、両方のグループに病院のセットの中に入ってもらいます。薄暗い病院の探索を終えたAグループの人は、人の声が聞こえたという人間がそこそこいて、Bグループでそういった主張をする人がほとんどいなかったという実験です。
こういった実験をもって、幽霊等非科学的論者は、幽霊を勘違いだ! 非科学的だ! といいたがります。ただ、この実験は明らかに心理学の実験です。つまり、幽霊とは科学的な探究の対象といえるでしょう。もっというと、人間一般にそういった心理傾向があるのなら、幽霊を単なる論拠もない勘違いだと考えることこそ、非科学的(思い込み、迷信めいた信念)です。
さらにいうと、この実験はオーブの実験と同じく、幽霊=全て心理的な特性によるものと主張するものではありません。あくまでも、人間の傾向について述べているだけです。Aさんがみた幽霊は、心理的な特性によるものではないかと私たちは考えることはできますが、絶対に心理的なものに由来すると断言することは不可能です。
幽霊にオーブ、怪しげなものを否定したくなるのはわかりますが、残念ながら、科学を用いてそれらを否定することはできません(そもそも科学はそういったことを目的とした学問ではないのです)。科学は100万回やったら、100万回起こるだろうということを考える学問です。絶対に同じことが起こるという主張はしません。そもそもできません。まだ明らかになっていない未知の要素が多いからです。幽霊やUFOが未知の要素ではないとどうしていえるでしょうか。
幽霊等非科学論者は、幽霊やUFOが未知の要素でないと考える論拠を提示すべきです。