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お題シリーズ4

舞台からの退場 全力

作者: リィズ・ブランディシュカ



 たくさんの拍手と、歓声でホールが満ちた。


 上から幕が下りてくる気配を感じる。


 たった今、一生に一度の大舞台が終わった。


 人気の役者としてさまざまな舞台に立ってきたけど、今回の舞台は一味違う。


 国のお偉いさんが身にくる舞台だった。


 だから私は、これまでで一番の演技を見せられるようにがんばった。


 今まで手を抜いてきたというわけではないけど、それでも次の舞台のために温存しなければいけなかったから。


 全力は出せなかった。


 けれど、今は全力だ。


 スポットライトの下で、心地の良い汗が流れていくのを感じる。


 ああ、この舞台をもう一度やれたら。


 なごりおしかった。


 そう思うけれど、次がないからこその舞台だったから、全力でできたともいえる。


 私はアンコールの声を聞きながら、舞台の幕がおりてくるのを待った。


 観客の姿が見えなくなったところで、その場にへたりこむ。


 他の人達が慌てて支えてくれた。


 期待してくれているお客さんには悪いけれど、もう舞台には立てそうにない。


 歓声の声を聞きながら、私は疲労感とともに意識を手放した。


 この舞台は人生最後、引退前の舞台でもある。


 だから、満足の行く舞台にできて私は幸せだ。


 後の事は、他の優秀な役者達がやってくれるだろう。



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