やきそばパンの いっぺいくんと アンケート
コントみたいなお話です。
あるひ、やきそばパンの いっぺいくんが まちを あるいていると、しょくパンさんに こえを かけられました。
「すみませーん。アンケートに ごきょうりょく おねがいしまーす」
「えっ? アンケート?」
いっぺいくんは、おもわず たちどまって しまいました。
「あ、はい。すてきな プレゼントも ごよういしていますので、ぜひ ごきょうりょく おねがいします」
「へえ。なにか もらえるのなら こたえようかな」
「ありがとうございます!」
しょくパンさんが、さっそく しつもんを はじめました。
「えー、それでは おききします。あなたは なにパンですか?」
「やきそばパンだよ。みて わからないかなあ?」
「ああ、すみません。それでは つぎの しつもんです。あなたは なにを はさんでいますか?」
「やきそばに きまってるよ。やきそばパンなんだから」
「ああ、なるほど。それでは あなたは やきそばを はさんだ パンですが、まわりからは なにパンと よばれていますか?」
「だから やきそばパンだって! やきそばを はさんでるのに 『やあ、メロンパン』なんて いうひとは いないよ!」
「ああ、そうですか。それでは しつもんを つづけます。もし、やきそばいがいの ぐを はさむとしたら、なにを はさんでみたいですか?」
「う~ん、そうだなあ。ツナマヨかなあ。ツナマヨパンは にんきが あるからなあ。でも、ぼくは やきそばで いいよ」
「なるほど。それでは もし ツナマヨを はさんだばあいでも、『ぼくは やきそばパンだ』と いいはるつもりは ありますか?」
「あるわけないよ! なんで ツナマヨを はさんでるのに 『ぼくは やきそばパンだ』って いいはるの! おかしいよ! ツナマヨを はさんだら ツナマヨパン。コロッケを はさんだら コロッケパン。はさむものによって なまえは かわるの!」
「なるほど。それでは さいごの しつもんです。パンやさんで ツナマヨパンは どんどん うれていきます。でも、やきそばパンは なかなか うれません。そのばあい、あなたは パンの なかみを ツナマヨに かえますか?」
「ううん。かえないよ。ぜったいに かえない。ぼくは やきそばパンとして うまれたんだから、やきそばパンとして たべてもらいたいんだ。だから、さいごまで やきそばパンとして いきたいんだよ」
いっぺいくんは、きっぱりと いいました。
「おお~。かっこいいですね~」
しょくパンさんが はくしゅを しています。
「え? そ、そうかなあ。てへへ」
いっぺいくんは、てれてしまいました。
「これで アンケートは おしまいです。ごきょうりょく ありがとうございました。おれいに シールを さしあげます。どれが いいですか?」
しょくパンさんが さしだしてきた シールとは……。
『半額』(はんがく)
『2割引き』(2わりびき)
『3割引き』(3わりびき)
「いや、かってに やすうりしないでよ!」
おもわず、つっこんでしまう いっぺいくんなのでした。
おしまい
読んでくれてありがとう。