第4話 悲しき双子を誘惑しよう!
タバスコとエロ注意!です。
気分を害しても責任は負えませんので閲覧は自己責任でお願いします。
翌日。
「なぁなぁ茜〜。三谷さんって何が好きなの?」
教室にて。
雄介は呑気に読書をしている。雄介に聞いてくるように頼んだのだがあっさり断られてしまったのでこうして自ら西藤ちゃんに聞いているのであった。
彼女は少し眠たそうに机から顔を上げる。朝のホームルーム前でまだ先生は来ていない。
なんだかんだで西藤ちゃんと席を隣にしてもらった夜野は彼女の話し相手となっている。
親衛隊(全3人らしい)はその様子を物陰から見守っている。
「ん?落葉ちゃん…うーん…ケーキとか好きだよ〜。」
(ケーキ…か…。生憎俺はけーきとやらを見たことがない。)
そんなもの天界にも地獄にもなかったからだ。
基本的に食べる事を必要としなかったからそんな大層な料理など存在しない。
せいぜいあるとしたら小麦粉くらいだろうか?(そのまま食う)
「雄介。ケーキってなんだ?」
俺はわざわざ雄介の席まで移動して読書している雄介の邪魔にならないように何気なく尋ねる。目の前に立ってそっぽ向いてる時点であんまり、何気なくないのですが。
「ケーキ…ですか…甘くて美味しいお菓子ですよ。食べたいのですか?」
「おぅよ。」
元気よくうなずく夜野。茜ちゃんが、女の子らしい提案をする。
「んじゃさーみんなでケーキ作らない?落葉も呼んでー^^」
「…まじで!?」
「つくろうよー。。ね、雄介さん?」
何気なく雄介を誘いたいらしい西藤ちゃん。雄介は、本から目を離さないまま面白そうなので承諾した。
「よっし!あちょい便所いってくるわ!」
西藤ちゃんはガッツボーズをし洗面所へと向かった。
「女の子らしくないよなたまに…。」
クラスの男子はぼやいていた。残念な自称アイドル委員長です。
その途中廊下で背中を叩かれた。
振り返ると、そこには見知らぬ不良がたっていた。
「ちょっと顔貸してくんねぇか?」
普通に女の子なので不良は怖い西藤ちゃん。ふるふると、泣きそうな顔になる。
「顔なんて…貸せませんっ私の可愛い顔が欲しいからって…そんなの駄目ですううう」
西藤ちゃんはボケではなく真剣にそんなことを言った。
錯乱しているんですよ…多分。
「ちょっと一緒に来いっていってんだよ!」
強引に引っ張っていかれる西藤ちゃん。面倒くさくなったのか途中で抱きかかえられる。
(たすけーてー。。)
周囲を見渡したが朝であることもあってかあまり人がいない。
登校時間にしては遅いほうなのだが…いないってどういうことだよ!
「あの…パンツ見ないでぅ…。」
抱きかかえられるとスカートがめくれてパンツが見えそうになってしまう。
今日は、猫さん柄のパンツなのだ。そんなの見られたら恥ずかしくて死にそうだ。
西藤ちゃんは、自分を抱えている男の顔を涙目で見つめた。
ぱっと一瞬目が合ったが、男のほうが、すぐに恥ずかしくなったようで逸らした。
形相悪くいかにも不良という感じだ。だがどこか優しげな雰囲気をかもしている気がするのは気のせいだろうか?
空き教室らしきところまで行くと丁寧に床に降ろされた。
「榊様。連れてきました。」
空き教室の割には設備が整っているように見える。
榊…と呼ばれた男が座るソファーもなかなか立派なものだ。
直後連れてきた男が自分のネクタイを引き抜き、西藤ちゃんの逆手を縛った。
ちょっと絶体絶命的な感じです。
(これ…やばいいんじゃないかなあああ!?)
不良さんに、恨みを買われるようなことをした覚えはない。
西藤ちゃんは顔をあげ榊と呼ばれた男を拝見する。
榊様は不良の割に整った顔をしていてさらさら髪の王子様風です。
「全く…本当に奴の弟なのか?こんなにあっさり捕まるなんてね。男の割には綺麗な顔してんじゃん。」
顔を首の骨が折れるギリギリの所まで持ち上げられる。痛さに顔が歪む。
「わ、私おんなですううううう!!」
泣きそうな声を出すと、小型ナイフを頬に突きつけられた。なんか聞こえてないらしい。
「っ!?」
榊様はナイフの柄ですっーっと西藤ちゃんの頬を撫でる。
「恐怖で顔が強張ってるよ?本当に苛めたくなる顔してるよね君。」
意地の悪い笑みを浮かべている。ていうか無視!?無視!?
西藤ちゃんは、身の危険を感じ硬直する。
「なんなんですかあなた!?私スカートはいてるんですけど!女ですけど!」
叫びは空しく響く。聞こえてないらしい。
「うるさいなぁ…痛いことされたくなかったらおとなしく従ってくれるかな?」
これはやばい・・・と思い、
西藤ちゃんは縛られた手でスカートのポケットを探る。
確か携帯電話が入っていた筈…だ。
「君の探し物はこれかい?」
榊様はこれ見よがしに携帯電話を揺らしてみせる。
(用意周到ドS野郎…。)
授業開始のチャイムがなっているのが廊下から微かに聞こえた。
誰かが気づいて助けに来てくれるという可能性は、皆無に等しくなった。
とりあえずこの授業が終わるまでは。
「で、どうするの?弟君。」
西藤ちゃんは力なくぼやいた。
「私…弟じゃない…。」
西藤ちゃんがそんな目にあってる一方教室では。
「あれ?西藤は何処いったんだ?」
先生が西藤ちゃんが居ない事を疑問に思っていた。そりゃそうですよね普通に。
「茜ーどこ行ったんだろ?」
夜野は心配そうに雄介に尋ねる。
なんだかんだですぐに仲良くなった二人なので、心配のようです。
西藤ちゃんの席は雄介の前。(色々便利だから。)
「さぁ…。。」
雄介はどうでもよさそうに読書している。
元々頭の良い上に同じ事を二回やっているわけだから雄介は授業を全く聞く気がない。
先生はしばらく疑問に思っていたがきっとサボりだろうという事で話は収まった。
というかあんまりどうでも良くない状況なのだが。
まさか夜野の身代わりに、西藤ちゃんが酷い目にあっているとは誰も気づかないのであった。
再び空き部屋。
「っ……もぉ…ぁ…。」
西藤ちゃんが悲鳴を上げる。だがそれは少し恍惚状態に入っているといってもおかしくなかった。
「ほら、もっとちゃんと舐めろ。真っ赤にして…可愛いな。」
「も…やだ…。」
西藤ちゃんは首を横に振る。
西藤ちゃんが舐めているのはタバスコ。猫のミルク皿いっぱいにタバスコが注がれている。
真っ赤なのは新陳代謝が高まるせい。それとタバスコが顔にかかった。
西藤ちゃんは辛いものが苦手だ。なのにこんな仕打ちを受けてぼろぼろ泣いている。
タバスコの刺激のせいで口もなんだかはれぼったくなってきている。
「ほらほら、早くしないとその顔が血で真っ赤に染まるよ?」
榊様はタバスコをどんどんかけている。
その光景をただ呆然と見つめる不良A君。
なんというか…罪悪感でいっぱいという感じ。
というか今にも意識を手放してしまいそうな感じ。
「ほら弟君。顔上げて口開けて?」
従うつもりはなかったのだが西藤ちゃんはぼんやりと、薄く口を開けた。
「はい投入〜♪」
タバスコをもろ口に注ぎ込む。口に入った瞬間西藤ちゃんは目を見開いた。
どんどん注ぎ込まれていくせいで西藤ちゃんは無理矢理タバスコを飲みこむ。
喉が焼けるように熱い。
いっそ気絶できたらよかっただろうが無駄に強靭な精神力で意識を保ってしまっているせいで、ただただ辛い…。
榊様の足元には空になったタバスコの瓶が何本も置かれている。
それは榊のおやつ用と西藤ちゃんの飲み込んだ分だ。飲み込んだ分は1本にもみたないのだがそれでもつらいです。
「そそるねぇ…。」
西藤ちゃんの顔に飛んだタバスコをぺろりと舐め取る。
「…美味…。」
榊様は嬉しそうに呟く。こいつの大好物です…タバスコ。
「あの…お言葉ですが榊様…。生徒会特別室が…タバスコ臭くなってしまうんですが…。」
不良A君がおずおずという。ここはどうやら生徒会特別室らしい。
こいつ生徒会なのかよ。という突っ込みはさておき、
返事の代わりにタバスコが飛んできた。水鉄砲の中身がタバスコになっていた。
「バーン☆煩いなぁ全く。」
「うあああああ!!」
目に入ったらしく哀れA君は床にのたうち回る。
「ひゃっはは」
榊様は自分の手についたタバスコを舐めながら嘲笑する。
その光景に西藤ちゃんは唖然とした。
(こいつ…変態だああああああ)。
「自分の弟が他人にこんなことされてる写真見たらあいつどう思うかな…。」
ぱしゃっと音がし、シャッターを切られる。先ほどから何度か、撮られていることには気づいていたが、意識するとやはり恥ずかしい。
「私…弟じゃないし、弟いないし!!」
「あ!そうだあれやろあれ!」
西藤ちゃんの呟きを軽く流し榊様はにこにこしながら西藤ちゃんの身体を起こしYシャツのボタンを外していく。
「なっにする気!?」
大分正気に戻った西藤ちゃんは羞恥に顔を赤らめる。
「何って…。」
驚いたような顔をする榊様。またうつ伏せになるように西藤ちゃんを倒しその上に跨る。
「ぴーーーー…?もっと違うことでもいいけど。」
「伏字は使うなぁぁ!!!」
何でこう悪魔以上に悪魔なやつがこの学校には多いんだか…。
Yシャツを捲られ背中を露にされる。
「あはは。せいぜいい声で啼いてよね?」
いやああああああああそれ犯罪いいいいいいいいいいいいいい
私ひゃんざいに巻き込まれてるよ!?
いつの間にか用意されていた蝋燭に着火して傾ける。
「ははは、燃え上がれ。」
「きゃあああああああ」
西藤ちゃんが悲鳴を上げると同時に教室のドアが開いた。
「鍵を掛けておいたはずだったのに…?」
榊様は驚きのあまり蝋燭を落としてしまった。
「あっづぁ!」
火がもろ背中に直撃。榊がすぐに蝋燭を持ち上げた御蔭で大事には至らなかったが軽い火傷を負った。
「…はぁはぁ…。茜…はぁはぁ…。可愛い…もっと…。。」
黒髪の少女はそのままドアを閉めようとした。その後ろにはさっきタバスコを掛けられたA君がいた。
「ちょっ!!落葉ちゃあああああああん!!」
「ふぅん。阿久津が呼んだの?」
軽い口調だが強さのある言い方で榊様は言った。その言葉に少女の足が止まる。
「すみません。目標を誤っていました。そいつ秋月の弟じゃないっす。」
阿久津君は床に頭がつくほど深々と土下座している。
(気づくの遅くない!?)
一通りいい終わった後、再び戻ってきた落葉は、榊と呼ばれる人を蹴り飛ばした。
「冬芽…私の親友に手を出さないでって言ってるでしょ。今すぐ離せ!」
「しょうがないな。今日の所は返してあげるよ。写真は撮ったしね。」
いつのまにか赤外線で自分の携帯に送っていたらしい。
「うあああああああ消してええええええええ><」
西藤ちゃんが叫ぶ中、落葉が榊にぽそっと…
「それ、私にも送りなさい全部よ。」
という取引をしていたことは秘密である。
落葉に支えられて寮まで戻る。もはや疲れてぐったりとベットに倒れこんだ。
「茜…可哀想に…。」
落葉は何故かうっとりとした目で西藤ちゃんを見つめている。
授業はいいのか…と落ち葉にたずねようとしたが、もはやそんな気力はなかった。
されるがまま、体を洗われたり、服を着せられたりした。
「…こないだの人が?」
一段落ついて、茜は、落葉に夜野が、ケーキを作りたがっている話をした。
「うんっ、雄介さんも一緒だから…楽しみ…。」
えへへーっと茜は嬉しそうな顔をする。
落葉はそれをなでなでするのが幸せで仕方ない。
「分かった…じゃあ、一緒に、ケーキ作ろうか。」
落葉はにこりと笑いかけると、茜は一層明るい顔になった。
「ところで落葉ちゃん…授業は…?」
「………………さぼった。」
「おい!」
翌日二人は先生にみっちり怒られたそうです。