ん!?
更新遅くて申し訳ありません。
ボチボチと更新して参ります。
掻き分けて入って行ったはいいが、浜に近い林は日の光量が多いためか下草が多い。
「痛っ」
野バラのようなトゲの生えた植物が腕を引っ掻いた。
手頃な木の枝を折って杖にし、下草を払いながら進む。
「お、開けてきた・・・」
目の前の木の密度が薄くなり、良く見ると、眼下に道のように開けたスペースが見えてきた。
ほっとしながら、そのスペースに滑り降りる。
どうやら住んでる人がいるかも知れない。
スマホの電波が立ってないから、沖の無人島に流されたと思ったのだが、どうやらそうじゃなかったらしい。
「とりあえず、こっち行ってみるか」
軽く坂になっている道の下りの方に足を向けた。
海の方に出たら港か波止があるだろうし、もしなければ、それから考えたらいい。
5分ほど進むと、道は海から離れるように緩やかに蛇行し、曲がった先には更に大きな空間が広がっていた。
「はぁ!?」
思わず隆一が声を上げた。
綺麗な泉が、澄んだ水を湛えている。それ自体はありがたいけど問題じゃない。
問題は、木洩れ日に遊ぶように舞う小さな人影・・・
隆一の声に驚いて振り向くその姿を見て、呆然と隆一の口から出た一言。
「妖精!?」
そう、あのファンタジー小説やゲームに出てくる妖精の姿が、そこにあったのだった。