スタート地点
いきなりスタート2
先ずは生きなきゃ
取り敢えず状況確認だ。
気を取り直して隆一は改めて自身と回りを確認する。
時間と太陽を確認し、大体の方角を把握する。
今12:45ならば太陽より少し左が真南になる。
持ち物は、、、ナイフと釣糸をはじめとした釣具類ー糸と針ーがあるのが心強い。
見渡した限り人の気配はないし、生活の気配もない。
まあスマホが圏外だった段階で、少なくとも近くに町や村がないのは確定だろう。
いずれにしてもすぐに助けが来ない事を前提に、水と食料の確保だ。
入江の端には岩場の磯があり、当面の食料確保は問題なさそうだが、早急な問題は水だ。
使えるゴミーペットボトルやビニールはないかと砂浜を見渡したが、流木や海草位しかない。
いや、ゴミがないのはいいことなんだけど
「参ったな・・・」
どうも器にできそうなものすらない。
貝殻を探すにしてもいきなり都合のいいサイズのものが見つかる筈もない。
隆一は入江の奥の森を振り返った。
水と器はあっちから調達してこないとなぁ
日差しを避けて作業するにしても、生活の拠点造りをするにしても、森に入るのはやむを得ないのだが・・・
自然の森の厄介さを知る隆一は、盛大に顔をしかめた後、大きくため息をついた。
「まぁ、仕方ないか」
覚悟を決めると森にどうやら入れそうな木々の密度の薄い所に足を向けるのだった